波風も心地好く、読んでいた本を置いて昼寝しようとしていたローの許に、
見張り台に上がっていたクルーから声が掛かる
「キャプテン!」
「…なんだ」
「2時の方角に、船を発見しました!」
「船ぇ?どこの奴らだ」
「近海の海を根城にしてる奴らです。名前は……」
「名前はいい。どうせ今から潰す奴らだ。
おいお前ら!その船から、宝と食糧奪ってくんぞ」
「アイアイ!」
丁度いいところにカモが現れてくれた。
食糧の備蓄が少々不安だ、と今朝コックから告げられたところなのだ。遠目で見た限りでは船の規模もそこそこ。名も通っているようだし、得られる強奪品は期待していいだろう
「それに、一暴れしたかったとこだ」
ボキボキッと指を鳴らす。
いい夢を見た日の戦いは、気分も数段高まるってもんだ
「キャプテン!奴らこっちに気が付きました!」
「よぉし、そのまま突っ込め」
さあ、お前の持ってるモン、全部寄越してもらおうか
prev next