恋情増幅 | ナノ
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なぜかローの機嫌が悪くなった宿での昼食を終え、
「昼からの仕事に戻ってみる」とぶすくれたローに伝えて立ち上がれば腕を掴まれた


「…行くなって言えば、行かないか?」
「いや、それは出来ない。飯を食べたら戻るとガンズさんに言ってしまった」
「……じゃあいい」


背けられたローの顔があんまりにも暗かったものだから、
ガンズさんに昼も手伝うと言ったのを取り消させて貰おうと思った。
どうにもローの寂しそうな顔には弱い。昔の名残を引き摺っているのかもしれない






「と言うわけで申し訳ないんですがガンズさん…」
「そうか!まあ自分とこの船長の機嫌損ねちゃあ敵わねぇもんなあ」
「ありがとうございます」
「それは良いとしてところでトリト オメェうちんトコで正式に働いてみる気はねぇか?」
「はい?」



とんだゲリラ兵がいたものだ














「……と、言うわけなんだが…」
「………で?」
「で、とは」
「トリトがどうしたいかによるだろ、そんなの」



トリトから伝え聞かされた言葉にローは眉間の皺を濃くした。幾ら濃くしようと帽子のお陰でトリトには見えないソレが、ローの機嫌の悪さを明確に表している


船大工の手伝いよりローを優先したトリトに嬉しくなったのはほんの一時だった

あのジジイ、どんだけトリトを気に入ったんだ。一日も経ってない。
トリトから迸ってる魅力的な何かを感じ取ったのなら余計に腹が立つ


宿のソファに腰掛けていたローははぁっと溜息を吐いた。

一旦、落ち着こう。冷静になろう。やみくもに何かの決断を下すべきじゃない。理性に捉われても感情的になってもいけない


「…もっとよく考えてからおれに話せ」
「……そうか」
「じゃねぇと、船長のおれにも何とも言えねぇよ」



こうしてハートの海賊団に身をやっしてはいるが、トリトは本心から海賊になりたいのではない
この世界に飛ばされたトリトの身を案じて手元に置いているが、
元来海賊などと言う危ない稼業に晒していい筈がないのだ
トリトが死んでしまうかもしれない可能性より、トリトが平和に過ごせるかもしれない船大工業の方がいいのでは、




ああ あたまがいたい
ついでに 心臓とか、そこら辺も





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