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「もう少しで島に着くのか?」
「ええ、それまではこの船も持ってくれると思いますよキャプテン」
「そうか」






「なあトリト」
「なんだ?」
「次の船、するとしたらどんなのがいいトリト」
「え?オレなんかの意見を聞いてくれるのか?むしろ聞いてもいいのか?」
「安心しろ。絶対その意見を優先するわけじゃない」


(絶対優先するぞ……)
(ほぼ叶えようとするぞキャプテン…)





海軍襲撃の一件で、ボロボロになった側面やマストを腕組みして眺めていたローと航海士が、せっせと汗水流して他のクルー達と甲板を掃除していたトリトに相談を持ちかけた。人数も増えてきたし、そろそろ変え時とは思っていたから丁度良かった。ローはそう思っている。トリトが責任等々を気にする必要はないのだから。ただ少し、"あちらの世界"で生きていたトリトの意見を取り入れてみたら面白いのではと考えただけだ!何か言いたいことあんのか!とローはヒソヒソしていたシャチとペンギンをギッと睨みつける。ウチの船長は地獄耳だった



「うーん、そうだな……」と真剣に頭を悩ませているトリトの横顔かっこいいなんて思ってない。うそ、少しおもってる




「じゃあ、あれなんてどうだ」
「分かりやすい言葉で言え」

「潜水艦、てのはどうだ?」



「!」
「!」
「!」

「お、お…?駄目か?やはり海賊としては、海中にコソコソとするのは駄目なのか?」



結構脳みそ絞って出してみたんだが…。と皆の驚いた様子にドキドキしながら不安そうにしている。しかしロー達は、トリトの口から潜水艦などと言う提案が出てくるとは予想していなかったのだ。潜水艦……ローと航海士、シャチとペンギンが互いに目配せして意見を交し合う。結果はこうだ



「…いいかもしれねぇ」
「!本当か」

「ええ、潜水艦て良いんじゃないですか!」
「そうだな 海中に潜っていれば、海軍の目も多少は欺けそうだし」

「何より面倒な戦闘を避けて通れるかもしれないしな」
「そうですねキャプテン」



潜水艦…もう一度その意見を吟味したローは、一度うんと大きく頷いた



「決まりだ。潜水艦、凄くいいじゃねぇかトリト」
「自分の意見が通るのって嬉しいな。会社ではこうはいかなかったから」
「会社?」
「すまんコッチの話だ」



とにかく



「これで次の目的が決まったな。 次の島で、潜水艦を設計できる船大工を見つけるんだ」
「アイアイ!」


「お、おぉ…!」




偏屈な取引先と契約取れた時より嬉しいぞこれは






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