恋情増幅 | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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ああは言ったが、本当にローが子どもの頃みたいにオレの隣で寝ているとは思わなかった




「…ロ、ロー……降りろ……」くるしい、どうして床にいる。どうしてオレの腹の上に頭置いてる。お前はお前のベッドで、オレはお前の部屋のわりかしモノがないスペースを選んで床で寝ていたはずだろう
眠りにつく最後まで「床に落ちてる書類は踏むな。積んでいる本を崩すな。それが無理そうなら俺のベッドで寝てもいい」と言っていたのはお前じゃないかロー。なのにお前の右足が置かれているのは書類の上だ。お前の左足があたっているのは山のように崩れた本の背表紙じゃないのか



「……トリト」
「起きたかロー。重いから退け」
「……… ……」
「二度寝するな!起きろキャプテン!」
「トリトはそう呼ぶな」
「呼ばれたくなかったら、退きなさい」
「………」



そんなムスっとしても駄目だ。諭せばノロノロと起き上がるのだから最初っから素直に言うことを聞けばオレに怒られずに済むと言うのに。
オレの腹から起きた、と思っていたローだが、折角直角に持っていった頭をまたズリズリとオレの腹に戻してきた。どうしてだ




「ロー、何で戻ったロー」
「……察せ」
「無茶言わないでくれ。ロー、起き……」


「キャプテンー!!起きてますか起きてませんよねおはようございます今日も清清しい朝の始まりですつまり飯の時間でーす!!」
「シャチうるさい」


「 ああ、おはようシャチ君、と?」
「おっ!はよーございますトリトさん!そうだったそうだった、トリトさんがいた!」
「オハヨーございマス、トリトさん。昨日は自己紹介しないままでスミマセンでした。オレ、ペンギンってーます」

「ペンギン君か。可愛い名前だなあ。 オレ、実はペンギン大好きなんだよ」
「そうなんですか!じ、実はオレもペンギンが大好きで……愛くるしいですよね、アイツ等」
「そうなんだ!ぼてっとしたずんぐりむっくりの身体に丸く円らな瞳と普段はポテポテしてるのに水中では高速で動くペンギン達のギャップと言ったら…」
「あ…ああ分かりますわかりますトリトさん…!」
「分かってくれるかペンギン君…!!俺たち良い、」




ペンギン友達になれそうだね…、ってどうしてオレの身体は朝からバラバラにされた






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