愛情構築 | ナノ
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▼06





とりあえず「かいもの」なるものが楽しいことであることは分かった
手を引っ張られてあちこち連れ回されたが、疲れた、つまらないと言った感情は抱かなかった
かいもの、なかなかやるじゃねぇか……トリトと一緒に買ってきた自分用の服を広げながら、ローはうんと頷いた






トリトは腰が痛かった
買い物中は同伴者と手を繋ぐこと絶対厳守と言った身として引き下がれない戦いではあったが、如何せん、ローと自分の身長差を失念していた
ローと繋いでいる手、ローがいる左側に重心を傾けながら歩いたせいで下半身に結構な痛みがはしっている
風呂に入った時によく揉んでおこう……と慰め程度に腰を擦っていると、ローがじーーっと見てきていることに今気付いて慌てた



「な…なんだロー どした」
「腰いたむのか」
「そんなことねぇけど?」



子どもに気をつかわせちゃあイカンよなやっぱり。オレは19だぞ。我慢出来ますこれぐらい
どうもしない、どうもしない。左右に手を振っても、やっぱりローはじっと見てくる
隈がくっきりしてる5歳児にこうも見られては見えない威圧感さえ感じてくる



「将来大物になるぞ、おまえ」
「?おおもの?」
「ああ、多分な。 あ、そう言えばお前のとこのセカイ?のこと訊いてなかったな。どんなんだ?」
「どんなって言われたって……海ばっかりだ」
「へぇー でも、地球だってなかなか海だらけだぞ?」
「あそこの壁にかかってるの、この世界の地図だろ?」
「え?あぁ、おう」
「あの青いのが海をあらわしてんなら、あんなの比じゃないぐらいだ」
「マジかー!すげぇ、おまえ、絵に描けるか?」
「たぶん」



ほらほらと差し出したルーズリーフとシャーペンを渡す。ルーズリーフは受け取ったが、シャーペンを持って固まっている
どした?と訊けば、何だこれは、とのこと。あ、シャーペン無いのかお前の世界
ならばこれはどうだ、と鉛筆を渡せば無言で頷いた後、3分ほどかけてルーズリーフによれよれっとした世界地図を描いてくれた。このぶぶん、全部海。と鉛筆で塗られた黒色の面積の広さに驚いた



一頻りローとローのいたセカイの話聞いてたら目玉飛び出すぐらいの驚く話ばかり聞かされた。腹が同じタイミングで鳴ったので買ってきた食材で簡単に、ローの口に合いそうなモノを作ってやるとローは「おいしい」と言ってくれた。口緩んだ。で、何故か風呂を嫌がったローに汚いだろ!一緒に入ってやるから!と言えば3倍嫌な顔された。浴槽に使ってる間中、なぜか元気のなくなっていたロー。何でだ?まぁでもこざっぱりしたろ!