愛情構築 | ナノ
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「ロー、今日が何の日か分かるか」
「知らねぇ。ってか今日が何日だよ」
「そうか、分からないか。今日はな、お前がオレの家に現れてから丁度1年の日だ」
「……へぇ?」




そうです1年記念日なのです。
しかしこんな日をオレがちゃんと覚えてるはずもなく
覚えててくれたのはスマホのアプリ君です。ありがとうアプリ君





「ああ、もうそんなになるのか」
「早いもんだなぁ1年ってな」
「で?」
「ん?」
「いや、1年だから、それがどうした?」
「え、いやお前、普通こう言うのって記念日だろ?お祝いすんだろ」
「したことない」
「マジか。誕生日とかは?あれ?つかローって誕生日いつなんだ?」
「10月6日?」
「マジかよ!知らなかったぞ!!」
「訊かれなかったから、こたえなかった」
「欲なしか!!そこは教えて自らプレゼント強請るくらいのことはしろよ!まあ訊かなかったオレにも問題はあったとは思うが」
「ねだったら、くれたのか?」
「まあな。オレも一応、お前の保護者だしな」
「………」
「何が不満だお前」
「べつに」




あーあ、何だローの奴ソッポ向いて
折角アプリ君が健気にインプットしててくれた1年記念日も、盛り上がらないまま終わりそうだな



まあいいか



「来年だな。1年祝いとか言いつつ、今年は何も用意出来なかったし。来年は盛り上げようぜ。部屋に盛大な飾りつけして、ケーキも作ってやるよ」
「………来年、」
「おう。な?」
「………うん」




不確定な1年先の約束が、こんなにも嬉しいものだとは