▼18 「ロー、今日が何の日か分かるか」 「知らねぇ。ってか今日が何日だよ」 「そうか、分からないか。今日はな、お前がオレの家に現れてから丁度1年の日だ」 「……へぇ?」 そうです1年記念日なのです。 しかしこんな日をオレがちゃんと覚えてるはずもなく 覚えててくれたのはスマホのアプリ君です。ありがとうアプリ君 「ああ、もうそんなになるのか」 「早いもんだなぁ1年ってな」 「で?」 「ん?」 「いや、1年だから、それがどうした?」 「え、いやお前、普通こう言うのって記念日だろ?お祝いすんだろ」 「したことない」 「マジか。誕生日とかは?あれ?つかローって誕生日いつなんだ?」 「10月6日?」 「マジかよ!知らなかったぞ!!」 「訊かれなかったから、こたえなかった」 「欲なしか!!そこは教えて自らプレゼント強請るくらいのことはしろよ!まあ訊かなかったオレにも問題はあったとは思うが」 「ねだったら、くれたのか?」 「まあな。オレも一応、お前の保護者だしな」 「………」 「何が不満だお前」 「べつに」 あーあ、何だローの奴ソッポ向いて 折角アプリ君が健気にインプットしててくれた1年記念日も、盛り上がらないまま終わりそうだな まあいいか 「来年だな。1年祝いとか言いつつ、今年は何も用意出来なかったし。来年は盛り上げようぜ。部屋に盛大な飾りつけして、ケーキも作ってやるよ」 「………来年、」 「おう。な?」 「………うん」 不確定な1年先の約束が、こんなにも嬉しいものだとは |