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「―――っ!?」




かけていたリュックを床に投げ捨てる。資料や教材の入った重いそれが、ローのすぐ真横に落下した。驚いたローがバっとトリトを見上げてくる。いつもは半目のローの目が、今は真ん丸く大きい



「お前はいつもいつも何をしてるんだ?寝て起きて食べて本読んでTV見て食べて文字書きして風呂入って寝て起きての繰り返しだ。それだけだ。お前がオレの家に落っこちて来てからの5ヶ月間、お前は帰れる努力を何かしたのか?子どもだからって、年齢のせいにすんなよなガキだろうが何だろうがかけてる負担の割合は変わんねぇんだ」


耳の奥がキンと痛む


「…、トリト、」


オロオロと、どうしたらいいのか分からずに、ローは思わず手をトリトの方へ伸ばした
近付いて来るローの弱々しい手を見て、トリトはたまらず叫ぶ


「うるせえ!!」

「!」



伸ばした手は声によって弾かれる




「そりゃオレだって別にお前を元の世界に帰せるような何かを見つけられたわけじゃねえよねえけどさそれでもオレはお前を養ってんだぜあんま上からな立場で言いたくないから言わなかったけどよオレって金持ちじゃねえんだよ一ヶ月生活するのでだってお金がめちゃくちゃ要るんだでもお前がいるから俺は我慢してんだ色々とダチからの遊びの誘いだって断ってるし合コンだって遠慮してるし欲しい靴も服も必要ないかって我慢してるんだお前を食わせてやらなきゃいけねぇことの方が大事だって思うからだだってそうだろオレ人拾ってんだぞ拾った奴の責任って重大だろってもう何言ってんのか考えて喋ってねぇけどさ頼むからお前、今のこの生活に甘んじねぇでくれよじゃないとローお前いつまで経っても元の世界に帰れねぇんだぞオレだっていつまでもお前の世話なんて見れねぇんだだから、「うわああああああああ!!!」え、」




いきなりローが涙声で叫んだかと思うと、トリトの視界は一気に低くなった
ゴトン、と何かが落ちる音がしたことと、身体が床に寝転ばされたような感覚
ローを見上げなければいけない形になってしまったトリトは、ワケも分からずに自分の体を見た



「―!? う、うわああああああああああ」




オレの、からだ、バラバラ