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「#幼馴染」のBL小説を読む
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バイトから帰ってきて、つかれたつかれたとボヤきながらわざわざローの身体を抱きしめて横になるトリトがローはいつもワケが分からない
振りほどきはしないけど、背中に擦り寄られるのは正直うっとうしい




「ローって『まぁなんてウチの子は手が掛からない可愛い子なんザマショ』とか親御さんに言われたことないわけ?」
「なんだその親。うぜぇ」
「うちの親は放任主義だったからなー。参観日とか運動会とか卒業式とかに来てもらった覚えが全くない」
「いまトリトの言った単語のはんぶんが理解できないけど、おれも似たようなもんだ」
「ほーそうなんか。しかしローは抱き心地がいいな。ジャストフィットなサイズしてる」
「セクハラだ。けいさつをよぶぞへんたい」
「どこでそんな言葉覚えた!ドラマか!バラエティーか!」
「アニメだ」
「最近の若者のアニメは…!」




そう言われてもトリトはローを抱く腕を緩めない
アレだ。抱き枕を抱いて寝る時のあの言い様のない幸福感に似てる




「…さいきん、つかれてるのか?」
「ん?んーまあなー忙しいしな」
「……ふーん」
「ま、どおってことないさ。でもオレって疲労とか溜め込んじゃって後で爆発する性質だからなー」



ローに当たらないか怖いなー。首を回してチラっと窺った背後のトリトの顔は、少し疲れてるように見えたから声をかけたけど、ハハハとトリトがあの笑顔で笑うからローは何も言えなくなった。

こんな時、もう少し自分に思慮とか配慮とか、"慮"が足りたらな、と思うのだけれど