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▼ 落涙と消えぬ花


「オレ、悔いのない生き方が出来たぜナマエ」

「!」



ナマエの胸に擦り寄ってきたエースがそう呟く。
その顔はナマエの角度からは見ることが出来ない
エースのそこにだけ影が落とされている。足元に影はないのに



「オレな、今度生まれ変わったら沢山したいことがあるんだ」

「今度生まれ変わっても、オレはルフィの兄貴になりたい。今度は思う存分いい兄貴してやるんだ」

「サボとも親友になりたいし、喧嘩と仲直りを沢山したい。そんでバカみたいに笑い合いたい」

「母さんに親孝行やりたいし、親父とは酒が呑んでみたい。たまにだけ」

「オヤジや白ひげの皆ともまた出会いたい。絶対に。ぜえったいに」

「飯がたらふく食べれて、フカフカの布団の上で寝てぇなあ。海の上で揺られて寝るのも大好きだけどな」

「また海賊もやりたいけど、次は別のことやって生きてくのも楽しそうだ。戦いはしたいけど、自分の好きなことやってくのもいいよなあ」




「それから、」


「ナマエと」

「もう一回、」


「 恋人に、なりたい な あ 」





エースが最後の言葉を言い切ると同時にナマエは、弱々しく笑った笑顔ごと抱きしめた。目じりに涙が溜まった、寂しい笑顔。大好きで大好きで堪らないエースの太陽のような笑顔。その笑顔を何よりも、護りたかった。「俺もだ」伝えたい言葉が少なすぎたけど、今は言葉にならなかった。



「ナマエ…!おれ、みんなとまた、会えっかなぁ…!」
「ああ…!あえる、会えるさ」
「そうだよ、な。ナマエが言うんだから、間違いないよな!」
「絶対だ、絶対俺がお前を見つけてみせる」
「ナマエ…っ!」




ははは、エース きったねぇ泣き顔だなあ
ナマエこそ、ぐっちゃぐちゃだぜ


















 飛び込んできた朝の陽光に、目を細めた
 





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