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▼ ナミゾウ(♂)の場合

ナマエの恋人のことを一言で表すなら、『金にがめつい』
男としてお金にウルサイ様相はケチな野郎と言われがちだが、ナマエの恋人・ナミゾウは、もうそんな低次元の話の中にはいなかった。

これは恐らくの過程であるが、ナマエとお金が同時に崖から吊り下げられていてどちらか一方しか救えない状況であれば、ナミゾウはまず間違いなくお金を助けに行くだろう。
それがナミゾウと言う男のことです


ならば何故そんな人間と付き合っていられるのか、それは簡単です。愛し合えているからです




「しまった!今日5時からスーパーの冷食割引き日だった!レポート提出ですっかり忘れてたどうしよ、」
「それなら私が帰りに買ってきたよ〜」
「マジかナマエ!ちゃんと肉巻きポテトも買ったか!?」
「バッチリ〜」
「ぃよぉし!マジでよくやったナマエ!さすがおれの恋人!!」



天高くガッツポーズされるのなら、買ってきて良かったなって本気で思えるのも珍しいことですよね。


ナマエはテレビ画面に向かいながら、自分のお金で買った煎餅を貪りつつそう思った。

いそいそと商品を確認し、逐一家計簿を付けているナミゾウの姿をCMの途中にチラッと盗み見して、ナマエは小さく笑う。
何とも頼もしい背中じゃないか。昔は昔で頼りにしていたが、今のナミ…ではなくナミゾウもすこぶる頼りになる



「…よし、ナマエ」
「なぁに〜?」
「ラーメン食いに行くぞっ」

煎餅噎せた

「ごほっ、え、えっ!?ラ、ラーメンて店ラーメン!?インスタントでなくて?」
「ルフィに教えて貰った。街中に美味いラーメン屋が出来たから一回行ってみたらって」
「ルフィが…え、でもだからって、いいの?高いんじゃないの〜?」


ありえない。ナミゾウが外食に誘うなんて
ナマエは、え?ほんとに?と尚も疑問を抱いたままナミゾウを見る。その視線に恥ずかしくなったのか、エヘンと咳払いをするとナミゾウは「お、おれだってたまには彼女にこーゆーことしてやろうかなって思ったりするんだ」とのこと



「…、」
「い、行くのか行かねぇのか!」
「行く、行く〜 ナミゾウの気が変わっちゃわない内にすぐ行きましょ〜」


あ、でもちょっと待て。と呼び止められる
なに?と呼ばれた方へと近付いていけば、ナミゾウのご実家で作られているミカンを五つ手渡された



「これ食べて腹をちょっとでも膨らませてから行く。ラーメン以外のを頼まないようにな」
「はぁい」


それは別に構わないのです。ナミゾウの家のミカンはとても美味しいから



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