▼ パーフェクトモード
キッドが布お化けとなったあの日から、少し予定は狭まり10数年
あれから数えると、
とても長いながいキッドのツンデレのデレ期部分を知っているだろうか
「ナマエ離れろ」
「いやだ」
ソファに座っているキッドの背後にナマエは居座っている。
離れろ、と言ったがそれは口の形が動くままに紡いだだけで然したる意味合いは含まれていない。交し合いすぎた掛け合いの名残だった
ナマエはキッドが羽織っているコートに顔を埋めた。真っ黒く、キッドのにおい
このコート、前は豪奢な装飾が施されているが後ろは全くの無地であった。
"派手"を好むキッドにしては、些か質素と評されるこのコートをキッドが絶えず着けている理由は、やはり二人にしか分からない
「あっちぃ」
「嫌だ」
「あちぃ」
「離れない」
「ドヤ顔すんな」
「見えてないくせにさ」
「分かるわバカか」
「キッドに言われたくないね」
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