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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ おくちぬいぬい



ボクの悪友のキッドは、よく言えば可愛げがない、素直になれない天邪鬼なところがあった。キッドが他のこどもたちに怖がられるのは、なにも赤髪と赤目なところだけが関係しているんじゃない。キッドには、圧倒的に「語彙力」がたりなかったんだ。相手の子を泣かせないようにするには、どんな言葉をかけ、どんな声音で話し、どんな表情をすればいいのか、それが分からないから泣かせる怖がらせる、嫌われる


そんなキッドには、そんなキッドを分かってやれる、ボクがいてやらないとって思ったんだよ。本当だよ。嘘じゃない。だってボクはキッドが好きだもの。
お山の大将?ちがう、リーダーシップがあるだけだ。腕っ節が強そうに見えて実はボクよりずっと弱いキッドはみんなが思ってるほどこわいやつじゃないんだよ?え、知らない?どうでもいい?そんなこと言わないでさ。じゃあお前だけがキッドのそばにいたらいいじゃん?うん、それはボクもそうしたいって思ってるんだけどね?



「……なんでボク、こんな体になっちゃったんだろ…」



こんなボクじゃ、キッドのそばに居辛い
左腕が痒くて掻き毟る。手当てとかされないから血は垂れ流しにしていつか止まるのを待つしかない


今頃キッドはどうしてるかなぁ。たった一人で、また山に行って探索してるのかなぁ。寂しがってるだろうなぁ。傍にいってあげたいなぁ。キッドには、ボクがいてやらないとなぁ



「………よし!」




診断してもらった医者が言ってたんだ。
アレルギー者は、金属に"触れなければ"いいんだって
それなら、こうして、こうやって、マントと手袋をしていれば大丈夫かもしれないって
「そのお友達の体は、ちゃんと肌なんだろ?じゃあ大丈夫だよ」って言われた。当たり前だ。医者までキッドのことを何だと思ってるんだろ
ただキッドはあちこちに金属を忍ばせてるのがいけないんだよなぁ、
今度交渉してみようかなぁ、いやでも、うーん




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