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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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▼ 行方知れず心知らずの走馬灯


「今日から俺がお前のお目付け役だ」
「はあ!?お目付け役!?」
「オヤジが言ったんじゃないぞ。マルコ他隊長から俺への直々の勅命だ。お前には悪いが、俺はなんとしてもこの命令を遂行させて貰う」
「意味わかんねぇ!なんでそんなもの!」
「後オレはお前より5歳年上だ。敬語を使え」
「誰が!」
「お前だエース」
「うるせぇ!」
「…やれやれ、とんだ悪がきだ」
「ガキって言うな!」
「お前、本当に17か?」











「…………」
「腹が減ったかエース」
「うるさい」
「お前、夕飯の時に部屋で1人寝てたもんな。食いっぱぐれてご愁傷サマ」
「―〜っ、うるせぇなあ!あっち行けよ!」
「まあそう言うな。俺の温かい懐に忍ばせて出しまするはエース君の為にナマエ君が作ったお夜食なりー」
「!?」
「さあ食え。たんとお上がり」
「な、な、んでこんな、」
「俺がお前のお目付け役だってこと忘れたのか?食堂にお前の姿がなかったから探してたんだ。そしたら寝てるお前を発見した」
「そ、それとこの飯をお前が作るのと何の関係があるんだよ!」
「まあ聞け。俺は命令を忠実にこなそうと、寝ているエースをずっと外から見張ってたんだ」
「ヘンタイか!!」
「そしたら俺も夕食食いっぱぐれてな」
「いやバカだ」
「なので、お前と一緒に食べようと思って厨房を借りたんだ。味は保証するぞ。食べよう」
「………バカじゃねーの」
「スープが冷めます。握り飯が固まります。食べろ」
「……………」
「いただきます」
「………ナマエ」
「………ん?いま俺の名前で呼んだか?」
「……ありがとう」
「……懐いた野良猫は可愛いく見えると言う、アレか」
「はあ?」
「長かった。名を呼んでくれるまでに1月かかるとか予想外だった」
















 「ナマエ、好きだー!」
 「   !?」
 













「………………」
「……ナマエまで俺を止めんなよ」
「…止めたいぞ、本当は。ティーチなんてほっとけ。嫌な予感しかしないんだ」
「…ナマエの勘は、よく当たるからちょっと怖いな」
「…………」
「でも、絶対に帰ってくるし」
「……自信は」
「ある。俺は、あんな奴に絶対負けない」
「……そうだな、お前は俺より強いし、大丈夫か」
「おお、そうさ。吉報持って帰るよ」
「ああ」












「エース、おれはおまえを」


「愛してるからな」









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