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特別なにかと言うわけではなかった。ただの、幼馴染。一緒に過ごしていた理由はそれだけ。でもその幼馴染が、他の奴らに比べても圧倒的にいい奴で、一緒にいて悪さするのもクズ鉄の山に漁りに行くのもどうせならこの幼馴染との方がいいや、って思う程度のやつ。なんてとやかく言っているが、素直にこの言葉に手直しを加えるなら、キッドはこの幼馴染のことが大好きだった。
皆が恐ろしいと言ったキッドの赤髪赤目の容姿でさえも「初めて見た時からそんな感じだったから怖がるタイミング逃した。え、なに皆キッドのそれ怖がってるの?ボクも怖がるべき?」なんて言ってくるような抜けたヤツだ。その返事には殴っておくことで終わらせたけど


「わざわざ怖がる必要なんてねーしっつか無意味」
「うん、ボクもそー思う。大体キッドって、見た目より怖くないよね」
「…それはそれで嫌」
「喧嘩してもボクの方が勝つし?ちょろいねキッド」
「しこたま殴られたいのかテメェ」
「やだー」


バタバタバタバタ。もう庭のようになったゴミ捨て場を裸足で走り回りながら。いつか大きくなったら、なんて夢語りもしたりした
大きくなったらダチって離れ離れるらしいぜ。へー。でもナマエは居ろよ。え、凄く理不尽。なんてことも話しながら、なのに



「ごめんキッド、医者が言うには、ボク、金属アレルギー発症させたくさい」


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