▼ 二人の愛について
ボニーのそれは"愛"ではない。"食"だった
ナマエのこれは"忠"ではない。"愛"だった
愛と言う食えない人間の感情なんかよりも、食う事に執着する自分がその者を食物だと認識してやれば、それはその者に対する愛情を表せると考えていた。カニバリズム思考はないが、相手がそれを望むのであれば遠慮なく食らいついてやろう。
私に愛されたいのなら、私が愛してしまったのなら、お前を食わせろ
ナマエのこれは行き過ぎた忠義ではない。もはや愛だった。愛している船長に愛されたい。望むのなら食われたって構わない。あの人の身体の一部になれる幸福、考えただけで身が悶えた
ああ、ああ。あの人の手が、口が、舌が、身体に触れてくる感触がする。食されている。わたしは今、愛されているんだ
「ナマエは美味しい」
「船長、愛してます」
二人の愛にもし違和感と疑問点を見つけても、進言は無意味です
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