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▼ ひとりになります

「婚約者?あぁ、可愛い子だよ。正直おれみたいなぐうたらには勿体無い子だ」



ナマエは褒めそやしますがホーキンスはナマエの婚約者の女が嫌いでした。
確かに見目は整っているし会話を数度交わした程度で嫌悪感は抱きませんでした。
これはホーキンスの精神の問題です。
ナマエとの将来を約束された女 憎んで何が悪いのでしょうか
年下の男の自分とでは、良くて友人止まりにしかなれないのに、家が用意した婚約者だと言うだけでナマエの隣にいられる約束をもらった女、にくい



「もったいないと思ってるなら、弟の方に押し付けたらいい」
「要るかな?アイツ。 でもそう簡単に出来たらいいんだがな、難しい話だ」



今日もナマエと2人、お気に入りの秘密基地、屋敷の裏の山の頂上に2人で登って、
遠く彼方の青い海を眺めて夢を語る。
そよそよと吹く風は穏やかで、隣のナマエの艶のいい髪が揺れる様を見ているのも楽しいのです



「ホークは、大きくなったら海に出るんだろ?」
「そのつもりだ。この家は兄のものだから、おれはいない方がいいと思うから」
「羨ましいなぁホーク オレも海賊やってみたかったよ」



力なく笑うナマエは、結構な諦め屋で、ぐうたらで、人のいい男です

ナマエに取り付いているしがらみとか束縛とかその他一切を取り除いてあげられたらなあ、とホーキンスは毎日思いました




この頃からです
ホーキンスが呪術の類に人知れず手を出すようになったのは

まず最初に呪ったのはナマエの婚約者の女でした
呪いのめぼしい効果と言えば、ナマエの家に近付くと自分の身に不可解な不幸が襲い掛かる、と言う思いをさせたぐらいでしょうか


地味だ



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