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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ 能力者


「要するにサッチさんは、ヤミヤミの実を手に入れて喜んでた!→ でもティーチに奪われて殺された! のちょうど真ん中の時間軸で飛ばされたんだね」
「お前飲み込み早いな」
「トリップ物ってのはね、ネットの世にゴロゴロしてるんだよね」
「ふーん 分からん」
「はいはいどうせナマエみたいな無気力系イケメンの男にはヲタの趣味なんて分かんないと思いますよー」


拗ねるな拗ねるな。機嫌を損ねたらしい友人の頭をカーペットの上に寝転びながら撫でてやると「優しくすんな!惚れる!」と言われたので「嫌だからやめるわ」手を元に戻して未だ落ちた肩のサッチを下から見上げる



「……整理し切れてないっぽいですなあ」
「……あったりまえだろお……何でこんなことになってんだ…ってかおれ等ってマンガの世界のキャラだったのか…フィクション野郎だ…」
「その単語の意味は分かんないですけど、気にしなくてもいいんじゃないですか?僕たちの世界ではワンピースはマンガの"作品"ですけど、サッチさん達が生きてるワンピースは"1つの世界"じゃないですか」
「メガネ君…!いい事言ってくれるな!」
「でもサッチってもう死んでんだろ?」
「そこ!水ささない」
「そうだぞ!」
「さーせん」



友人1人に対しては強いが、そこにリーゼントのおっさんが加わると威圧感があるな
輪から更にハズレ気味に、友人が隠しておいたポテチの袋を遠慮無にバッと開いて食べる
友人とサッチは、ヤミヤミの実を間に置いて正座の態勢のままううんと呻った



「大体逆トリものって、こう…都合よくある日突然に帰れる展開が多いんで、サッチさんもそうなれると思いますよ」
「ああ…でも今帰れても、おれはティーチに殺されるし、このヤミヤミの実のせいでエースもオヤジも死んじまうなんて思ったらおれ……」
「うーん…ですよね…」



2人の男から見つめられ続けている悪魔の実が哀れだ
ボリボリ、ポテチのカスを新聞の上に落としながら傍観していたナマエがあ、じゃあさと声をかけた



「そのティーチって奴にあっちで殺されて奪われないように今ここでヤミヤミの実食えばいいんじゃないのか?」
「それだー!」
「頭いいなイケメン君!」
「ではは」



ようし!なら早速!とヤミヤミの実を丸呑みしたサッチが、あまりの不味さに吐きそうになったところに、ナマエが手に持っていたコンソメ味のポテチを突っ込んで何とか嘔吐展開は免れた




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