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▼ モブキャラ


リーゼント不審者のスカーフごと首根っこ捕まえて、引きこもり兼ヲタクの友人宅まで引っ張り込んだ
突然の訪問に「ちょっと今エロゲ忙しかったのになに」と眼鏡擦りながら部屋から出てきた友人は固まった



「ワンピースのサッチじゃん。え、ナマエ、さっき言ってた不審者ってワンピースのサッチ?」
「そう。え、でもワンピースにサッチなんて奴いたっけ」

「…待って、僕分かった。僕には何も言わなくていいよサッチさん」
「え?分かんのか?」
「うん。今サッチさんは、いわゆる"逆トリ"と言う現象に巻き込まれてるね!!」
「ギャクトリ?」
「逆鳥?逆さまに飛ぶ鳥か?」
「ナマエは黙ってて!とりあえずナマエはそこの棚にあるワンピース45巻と57巻読んで!」
「ええー」




仲間の輪から追い出されたナマエは渋々友人の所有する大量の漫画を収納している押入れの本棚からいつも読んでいるワンピースの指定された巻を抜き取る。時間潰し程度に読んでいただけだったから、サッチと言うキャラを見落としていたのかもしれない。ただでさえワンピースはキャラ数が多くて元来マンガを読むのを得意としないナマエには大変なマンガであると言うのに。とブツブツ文句を言いながらも黙って45巻のページをめくっていると、あ



「ほんとだ。いた」
「いただろ? あと今こっちは凄く大変なことを聞いちゃった。ちょっとこっち来てナマエ」
「人使い荒いぞメガネ」



さっきよりサッチの肩がガックリ下がっているような気がするが何を話してたのか



「僕が逆トリの説明したらこうなったの」
「ぎゃくとりってそんな恐ろしいのか」
「うん、ナマエには後で説明するけどね。とりあえずサッチさん、あなたもコレ見てください」
「ん…?なんだこれ。マンガか?あ、エースとティーチじゃん」
「注目すべきは絵ではなく台詞の方です」
「せりふ………え」
「サッチさん、あなたティーチに殺されちゃってますよ」
「ええええええ嘘だろ!?なんでおれがティーチに…… えっ!?このヤミヤミの実が原因!?」
「サッチさんヤミヤミの実持ってたー!」
「うわ、まがまがし」



サッチの上ポケットから出されたのは螺旋状の渦が逆巻くグロテスクな色をした果物だ
自然界に生っていたら絶対に近付かないような色をしている。これが悪魔の実か

普段は引きこもりでコミュ障全開の友人だが今はテンションマックスでわー!きゃー!と悪魔の実を手に取って騒いでいる



「うわっ本物!これがヤミヤミの実だって!これのせいでエースも白ひげも死んだようなもんなのに!」
「えっルフィの兄ちゃんって死ぬのか」
「おいエースも死ぬってどう言うことだよ!」
「落ち着けパンピー共!僕が一から説明するよ!ナマエには逆トリの説明!サッチさんには事の全てを!」
「た、頼んだぜひょろメガネ君!こっちの無気力あんちゃんよりかは頼りになるぜ!」



失礼だなこのサッチ
3コマしか出てないのに、どうせモブキャラだろ?


とりあえずルフィの兄ちゃん死ぬってどういうことだよ詳しく



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