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海軍の医療技術で見る見る回復して行く水槽の中の人魚を見ていたら、先に目を覚ましたナマエから事情が聞けた。何でもナマエは、大破した船から身を放り出され海中に落っこちたよう。するとそこに、偶然海中を遊泳していたあの人魚に助けて貰ったらしい。水面に引き上げてくれ、とどうにか伝えてそこで意識を失った。そして人魚は怖がりながらも律儀にナマエを水面まで連れて行ってやったみたいで。だから海面に上がっていたのだ。上がってどうすれば良いのかと辺りを見渡していた時にいきなり海面が凍りついた。…つまり、そう言うことだ




「私、あなた嫌い!どうして海を凍らせちゃうの」
「いや…あれはいつもやってて…不可抗力で…」



どうやら自分は人魚には嫌われたらしい。顔を背けて拗ねられた。やれやれ



「ただいま戻りました」
「おっ帰りーナマエ」
「"国に戻れる充分な力を取り戻すまで保護しておくこと"だそうです」
「……わーかったよ。てかナマエも、さっきまでダウンしてたんだからもっとゆっくりしてなよ」
「いえ、大丈夫です」



鍛えてるんでと笑って、ナマエは人魚に近付いた。この2人、助けてから会話を交わしていなかったらしい
ナマエの姿には、人魚の方も逸らしていた目を戻した



「あ…」
「あの時は、助けてくれて本当にありがとう。君はオレの命の恩人だ」
「そ…そんなの別にいいわ。生きてて、良かったわね」
「ああ。 そうだ君、名前は?」


「…ナマエ」





ナマエ、か
見えないように報告書にサッと名をメモする




「ナマエちゃんか。大将のせいで怖い目に遭ったろ?まだ小さいように見えるけど、大丈夫だったか?」
「私、小さくなんかないわ。これでも13なのよ。だから怖くなんてないもの!」



歳は13、と…



「ちょっとそこのヒエヒエの人!こっそりメモ取らないでよ!」




おや、ばれた


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