OPSeries | ナノ
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -


▼ 甘やかし過ぎたのかしら

「お前は何歳の子どもなんだい!もう26なんだからいつまでも幼稚なことばかりお言いでないよ!」
「んだってよ婆ちゃん!さっきの奴ら、オレんこと"七光り"とか"コネ"とかって言ってくんだぜ!?腹立つだろ!!」
「ならその2人は新兵だったんだろうさね。でなけりゃお前のことを七光りだなんて言う者が、今この海軍基地にいるもんかい」
「な、そ、それどう言う意味で…」
「ナマエの努力家なところは、みんなも婆ちゃんも大好きだよ」
「うわああああああああああ恥ずいいい!!!死にてえええええええええ!!!」
「軽々しくそんなこと言うもんじゃない!」



丁度いい空き部屋が無かったからと言ってわざわざ会議室で説教しなくてもいいじゃないか、とブツクサ思っていたのにとんだ爆弾発言



やめて!
誰も俺の努力を知らないで!
知って欲しくないからそう言う部分!
矜恃が!
男のプライドが!!
婆ちゃんには分からないトコロが!




「お前のプライドなんて言う下らないものは、婆ちゃんポイだよ」
「婆ちゃんは女だからわっかんねぇんだよ!!」
「また生意気言ってこの子は」



もう1つオマケにチョップして、はぁっ、とおもむろに溜息を吐いた


初孫が嬉しくて、幼少期に甘やかし過ぎたせいかしらこの性格は
と過去の自分の行動をつるは嘆いた



分別のある大人に漸くなったと思えば、
ムカつくものにムカつき、腹の立つモノに腹を立て、殴りたい者は殴り、遠慮のない言葉をぶつける
こんな難儀な性格にしてしまい、どこで教育を間違えたのだろう。あの時か?あの時かしら?もしかしたらあの時かも。思い当たる節が多くて思い出すのにも苦労する



良いではないですか。だって可愛いかわいい初孫だもの
目に入れても痛くないとはあの事で、見ている此方がウンザリしていたガープの爺バカっぷりをも笑えられないレベルだ



「オレも、おばあちゃんみたいに カッコイイかいぐんになるんだ!」と幼心に告げられた言葉が嬉しくて、沢山色んなことを教え鍛えた。
思春期の頃から少し口癖は悪くなっていたが、それも許容の範囲内だった。ただ「ババア」と呼び名を改められそうになった時は鉄槌を下した。

自分を凡夫であると認識した者は強くなれる。
才能人間達に負けないように、能力者達と遅れを取らないように、努力して努力して
自力で海軍将校の座を掴んだのはナマエ自身の努力の賜物だ


海軍に入り、少将の位を貰ったまでは全てが上手く行っていたのだけど、
伏せていた血縁関係がとある拍子に皆に知られ、
掌を返されたように"七光り"だの"コネ"だのと言うやっかみを言われるようになってから、
ナリを顰めていたナマエの口の悪さ、性格の悪さに拍車が掛かってしまっている状況だ



「どーしても婆ちゃんの言うとおりにしないのだね」
「だってよ!」
「あんまりにお前が懲りないから、今回もこの子を呼んだよ」
「は、はぁ!?おい婆ちゃん何考え、」




「ナマエ、お前はまた一悶着起こしたようだな」




「モ、モモンガちゅーじょおおおお!!」




リーサルウェポン
ナマエが尊敬して止まないモモンガを投入すれば、ナマエは暫く落ち着くのだ



prev / next