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▼ ロー

*巨人主





どう考えても、この船に対して自分の体は規格外だと思う

ナマエは、年々、いや日に日に成長を続ける己の身体を見下ろして溜息を吐いた。その溜息ですら量が多くて、共に甲板の掃除をしていた船員達に「あれ何今の突風」なんて言われる始末
生まれは巨人族ではない、筈だ。父は成人男性の平均より小さかったし、母は成人女性の平均より少し小さかった、ただの人間。だから自分もただの人間な筈
世界の海には、3m強だとか4m強とか言うガタイの者もいると聞く。船長から昔聞かされたドフラなんとかもその類だそう
しかし、自分の今の身長は6m弱 デカすぎる オレ、ただの人間なのにこんな身長いらないだろ。完璧無駄



「相変わらず木偶の坊だなナマエ」
「はぁ船長…お恥ずかしいこって…」
「お前がウチの1人になった時は、もっとこんくらいだったろ」



自分の肩の平行線を指で指しながら、掃除している俺たちを見下ろしているロー船長
今船長が経っている見張り台の上からで漸くオレと少し目線が合うぐらい
昔はこんなだった、ああだったと、昔のオレを引き合いに出して来るロー船長とのこんなやり取りも、数えきれないくらいだ
視界の妨げになるのなら下ろせば良し。木偶の坊だと分かってくれているなら突き放せば良し。だのに船長はそれをしない。だからオレはオレで惨めになってくる。だってどう考えても邪魔だろう。ましてやオレ、ただの凡人



「ロー船長……やっぱオレ…」
「"次の島で降りる"なら無しだぞ」
「ぐ……」



頬杖ついて軽く一蹴 どうして決断させてくれないのかこの人は



「だってオレ、邪魔でしょ?」
「…そんなに言うならこうしてやるよ」
「え」



視界の隅のロー船長が手を上げたかと思えば、次にガクンッと落下していった。何がって、視界とかそう言うのが
ものの見事に身体をバラバラにされたオレ
散乱する身体の各部位の規模がデカすぎて皆の移動の妨げになってる



「ッ船長!!」



何すんですか!!叫びそうになったが、生身のまま見張り台から飛び降りて来たロー船長がオレの頭部を引っつかんだ事により髪の毛が痛みを訴えたので危うくのど元に引っ込めた



「痛いいたいイタイ船長イタイ禿げる禿げるはげる」
「禿げてもいいだろ、そんなの別に」
「よくないですよ!」
「ほら」
「はぁ?」
「お前とおれ、近くなったろ?」



船長、顔と顔が近いです。ついでに言うなら唇とかそう言うのも








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