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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ ホーキンス

*友人主/片思われ





「ホーキンス、俺を占ってくれないか」
「…………何に対してのだ?」
「俺がいつ結婚式を開けばいいかだ」




ホーキンスは、ナマエの「占ってくれないか」の時点で既に広げ用意していたカードをおもむろに握りつぶした。
突然のホーキンスのらしくない行動にナマエは驚いた。目の前のホーキンスの、元々悪い顔色が更に酷いことになっている。カードを握っている手はワナワナと震えているし、瞬きをせずにじっと見つめてくる生気のない目がいつにも増して恐ろしい
今までは旧知の間柄と言うことでこの海賊船にも船長の許可なくして入ることを許されていたが、今のホーキンスの状態では、今ここで前からグッサリ行かれてもやむを得ない状況にも思える。冷や汗が止まらない



「…………、だ、」
「な、何て言ったんだ?」

「…どこの女畜生が相手だ、と聞いたんだ……………」
「く、口が悪いんだなホーキンス」
「……ナマエに女の陰など、いつ占っても出て来ないから油断していた」
「サラリとツッコミたいことを言われたが、ホーキンスお前勘違いをしているぞ。今の俺にそんな相手はおらん」


カードがようやく解放された。しかし、もうグニャグニャに歪んでしまっている


「なに?ならお前は相手もいないのに式を挙げようとしているのか。変わった奴だな」
「そう言うんじゃなくてな。先に結婚した方がいい日を聞いておけば、その日までに相手を見つけようと今まで以上に頑張れる気がするだろ」
「婚期を逃すまいと焦る男……滑稽だなナマエ」
「お前は無表情で辛辣すぎるぞ」



しかしそう言うことならば、とホーキンスは占ってくれるようだ。とりあえず、どんな人物と結婚出来るのか、特徴とか占ってくれないかと頼む。カードを整えていたホーキンスは、さっきまで自分が握りつぶしていたカードを見て「なぜこのカードはこんなに曲がっている」なんて言う。自分でやった事だとは思っていないらしい。無意識下の行動だったか……おそろしい……




「……………」
「どうだ?結果は出たか?」
「…………出たには出たが」
「そうか!なんて?どんな人間なんだ俺の未来の妻は!」


「私らしい」


「    ん?」



ワタシラシイ? はて、ワタシラシイとは



「私らしいってどう言うことだ?
ホーキンスのように、髪の長くて線の細い女性と言うことか?」
「いいや。もれなく私であるらしい」
「そうか、もれなくホーキンスか。     ん??」



ちょっと待て動揺してきたぞ。ナマエは引き攣った笑顔を貼り付けたまんまで必死に聞かされた言葉を理解しようとする。ホーキンスは、結果の出たカードをじぃっと見つめる。 60% 微妙な数値だが、ナマエの結婚相手の結果は、紛れもなく自分を示していた。
未だに、ん?ホーキンスが?俺の?と混乱しているナマエ。ホーキンスはほんの少し口角を上げた。ナマエや自分が思っているよりも、身体はこの結果が嬉しいと感じているらしい



「……結果が出たから仕方ない」
「…んん?」

「今日から、私がナマエの妻だ」
「…ホーキンスが、俺の、妻?」

「占いの結果は幸福になると出ている。安心してくれ」
「そ、そうか、幸せになれるんなら良かった。…しかし本当に俺の相手はお前なのか?」
「私の占いを疑うのか」
「疑ってないから疑ってんだ……」



しかし何でホーキンスはそんな平然としているんだ。お前はいいのか
駄目だと思う要素がない。お前はとてもイイ奴だと言うことは知れている
ありがとう。 いや俺、男だぞ?お前と同じ性別なんだぞ?
そこに何か問題があるのか?
そんな目で訊かれたら問題ないように思うでしょうが





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