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▼ 海軍巨人族

*巨人族主













「ナマエ!バスティーユ!大人しくしろ!」
「しかしラクロワ!バスティーユのが先に突っ掛かってきたんだ!」
「お前がおれの分のコーヒーを飲んだからだろう!コップ一杯淹れるのに何時間掛かると思ってる!」
「だから、謝っただろ!オレのコップかと思ってたんだ!嫌だったら"バスティーユ"って名前でも書いておけ!」
「くだらない事で暴れるな!本部の壁が壊れまくってる!!」




仲裁に入ったラクロワにスーツの首根っこを掴まれ、ナマエとバスティーユは大きく左右に引き剥がされた
猫の喧嘩のように拳と拳でぶつかり合う2人の喧嘩は、巨人族だと言うことを除いても周囲に及ぶ被害が尋常ではない
2人が取っ組み合いをして被害を出し、上に謝るのはいつも隊長のラクロワの役目になる
大きな身体を出来るだけ折り曲げて謝罪をし、修繕費を強請るのは考えただけでも気が滅入ることだ



「ああほらナマエ、背中が破れてるぞ」
「バスティーユが引っ張ったせいだ。 見ろ、あいつの海軍コートの裾はオレが破った」
「自慢するような事ではない!少しは反省しないか!」




ただでさえ巨人族部隊は、戦闘の有事の時以外は敬遠されがちだと言うのに、この2人のせいで余計それに拍車をかけている。ラクロワは頭痛がした。しかしそれに利く薬はない。巨人族サイズの頭痛薬なんて存在しない



「ラクロワ、大丈夫か?頭いたむのか」
「あまり無理するなよ?仕事はおれ達が代わってやろうか」
「………平気だ」



しかし只の短絡思考の持ち主たちではなかった。ナマエも、バスティーユも
巨人族と言え人並みに気遣いの精神は持ち合わせている。
心配げな目に苦笑を返した。頭痛が少し治まったような気がする




「…そう言えば、ナマエ 今日はお前の人間の恋人が、この本部に一時帰還するらしいじゃないか」
「おおそうなんだ!久方ぶりに会うから、今からテンションが上がってしまってな!」

「だからあんな面倒に絡んで来たってわけか」
「黙れバスティーユ お前の方こそみみっちぃ事で突っ掛かってきやがって」
「この件は100%お前が悪いと分かっての言葉だろうなァ!」
「思ってない!」
「仮面剥がそうとするな!やるか!?」
「やろうか!?」


「やめんか2人とも!!なぜまた始める!」




ああ、胃までキリキリ痛んできた
















「スモーカー君の恋人って、どの巨人族だったかしら」
「………あそこで仮面剥がそうとしてる大きいのがそうだ」






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