▼ クロ
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また能天気な笑顔を見る日が来るとは思ってなかった。
「クロ船長ー!」と呼ぶ大声は煩わしいから止して貰いたい。猫の手をチラつかせながら、「黙らねぇと切り刻むぞ」と脅してみるが能天気馬鹿は少し声のトーンを落とすだけで「クロ船長、クロ船長ー!」と五月蝿い。
「……用なら早く言わねぇかナマエ 切り刻まれたいのか」
「ヤですねー! でへへへ」
「…………気持ち悪ぃな」
「うおっマジすか!」
ジャンゴを欠いたクロネコ海賊団の中でも、自重を知っている上で騒がしいシャムとブチと違って自重を知らなければ遠慮も知らない五月蝿さのナマエはクロネコ海賊団船長としてまた戻って来たクロの後ろを付いて歩いた。さながら猫の後を追う犬のようだ。
シロップ村でクロの「杓死」により傷を負った他のクルー達はまだ寝込んでいる。まあ、そんな貧弱な奴らに比べれば、クロに斬られても尚ピンピンと動き回っているナマエの方がまだ可愛げもあると言うものだ。
クロは手首で眼鏡の調節を行いながら、しつこく付き纏っていたナマエの方を振り返る。長身だけが取り得のナマエの顔は少し見上げなければならない位置にあった。やはり、笑っている
「…随分と嬉しそうじゃねぇか、なあナマエ?」
「勿論ですよ!クロ船長のいないクロネコ団なんてシャムとブチの野郎が我が物顔で仕切ってて腹が立ったのなんのって!」
「おいナマエ!それ当人がいる前で言うことかよ!」
「そうだそうだ!」
「うっせぇぞザコキャラ共が!海岸に棄てられて行きそうになってたとこを拾ってやったんだからちったぁ黙ってろよクロ船長との会話の邪魔!!!」
「ね、クロ船長!」
そして相変わらず口が悪い。クロのことを間違った部分でリスペクトしているナマエは他のクルー達には口が悪く、折り合い上手く付けられないところがあったが3年経ってもまだ直っていないとは嘆かわしい。
「またクロ船長の乗る船に乗れる日が来るなんて俺、すっげぇ嬉しいです!」
「………いちいちやかましい奴だな。大したことじゃねぇだろうが」
「大したことですって!!」
「あー分かった、分かったから散れ。甲板掃除でもしてろナマエ 今はテメェしか動ける奴がいねぇんだからな」
「はいっ!!」
全く、やかましくて騒がしい奴で、見ていて飽きない
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