とうらぶ | ナノ
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「#幼馴染」のBL小説を読む
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にっかり青江は数珠丸恒次が来なくて残念だけれど


これ設定の二人


― ― ―


「君も欲のない人だよねぇ」

「なんだ藪から棒に」


文机に向かって提出用の書類を認めていたところへ、入室してきた近侍の青江がどさりと背中越しに抱きついてきた。
やや間延びした口調に合わず、どこか不機嫌であるらしい。どうしたことだろうか、今日はまだ碌に会話も交わしていなかったはずだが。


「『"数珠丸恒次"がいなくても、俺がいるだろ』 ぐらい、言ってくれても罰は当たらないと思うけれど?」

「……ああ、なるほど」


そう言えば確かに、ここ数日の青江はどことなく意気消沈していたような気がする。
表面上は平素どおり取り繕っていたが、青江を取り囲んでいる覇気が薄く感じられたのは、やはり"顕現させた者"の特権だろうか。


「……俺に、そう言って欲しいのか?」

「言ってくれるのなら聞きたいねぇ。兄弟刀が来ると思って愉しみにしていたから、その分余計に悲しい気持ちになってる恋人……恋刀?がいるんだよ?」

「……そうか。…分かった。――青江」

「 うんうん。さ、どうぞ 遠慮なく?」



「お前には俺がいる」


「………………」
「 青江?」
「………もっと」
「言え?」
「うん」
「お前には俺がいる」
「もっと」
「お前には、俺がついてる」
「もう一度」
「……俺が傍にいる」
「…ふふ」

「……お前には、俺だけいればいいだろう」
「 ん、っ?」


「 ……なんてな」
「…………ズルイねぇ、そういうの」
「そうか」



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