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ベリオロスとギルド団員(MH4)


!ベリオロス 続編
!64万企画小説作品


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「すまん、俺草食系なんだ」

そう伝えた翌日、ベリオロスは代わりにポポを捕まえて来た。

違う、そうじゃない。
生きたままのバギィの肉を喰う事に抵抗があったから、せめて腹に入れるなら胃に優しい果実系がいいなって我侭を言っただけであって、「そのモンスターが肉食か草食であるか」にこだわったわけじゃないんだ。

でも本当に凄いぞこのベリオロス。まじで人語を理解している。やはりモンスターの知能ってのは人間の俺たちが考えているよりもより高度なつくりをしているのか…調査隊だった頃の癖でついそんなことに意識を向けてしまった。その間にベリオロスは俺の背後に回っていて、フサフサの毛を俺にあてて密着してくる。


このベリオロスのお陰で、俺は死んでいた感覚器を全て復活させることができた。

終了を迎えていた俺の人生を引き戻してくれたベリオロスは、今日も今日とて楽しそうに俺の頬を舐めてくる。舐められすぎたせいでいつも頬だけがパリパリになっている。せっかく捕まえて来てくれたポポも、半殺しで連れてこられたせいかまだ息があるようで小さく身体を震わせている。数日前までは俺もああだったんだと考えると、今自分が生きている現実に対し、何に感謝をすればいいのか分からなくなる。
 たぶん、ベリオロスに「ありがとう」で、いいんだろう、が。


「……目的が分からないんだよなあ…」

『グルル…?』

「あー、いや、なんでもない」


モンスターが人間のことを生きたまま囲った事例なんて聞いたことがない。だから困っている。
ベリオロスは俺に食料をくれ、寝床をくれ、暖をくれた。だが俺は、ベリオロスに何も与えてやれていない。唯一あげられるとしたら俺自身の肉になるんだろうが、頂かれる兆候も今は見えてこない。本当に、困惑したまま数日が過ぎて行っている事態だ。


「………うーーん………」
『………』
「…………」
『……?』

「…やっぱりお前、きれいだなぁ」


………バカ野郎おれ!! 呑気に言ってる場合か!


「バカかおれ、バカかおれ……うわっ」
『グル、ル、ル』
「お、お、おいおい、くすぐったいんだがぁ…!?」


新発見かもしれない。ベリオロスの腕についてある皮膜で擦られると、程よい温かさと共に気持ちよさを感じる。これをギルドのハンター諸君らに伝えても何ら有益な情報ではないが、俺にとっては益のあることだ。あったかい。雨風、雪吹雪は遮られていると言っても、ここは極寒の氷河地帯。洞窟の中にいても凍てつく寒さを痛感する人間の俺にとって、ベリオロスのこの腕と膜とに包まれていると眠気さえ催されるほど気持ちがいいのだ。

グダグダと モンスターとは、人間の俺を、なんて考えてはいるが、正直ほんとうはどうだって良くなっていた。

俺は生きたい。ギルド調査員としていつも死の覚悟はしていたけど、本当は死にたくなんてないんだ。生きていたい。誰かに生かしてもらいたがっている。

理由も意図も分からない。だが俺の何かを気に入ってくれたベリオロスが俺に飽きるまで生かしてくれるとするなら、俺は全力でそれに甘えるだけだ。余計なことは考えたくない。思考すれば腹が減る。



「…ありがとう、ベリオロス 俺を助けてくれて、本当にありがとう」


きっとお前なら、俺のこの言葉も理解してくれるだろう


『……ガウッ』


腕を甘噛みされた。こそばいたかった。





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