モンハン夢 | ナノ
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雪山から、家へ


今日の仕事は、村の畑を荒らしていたドスバギィ率いるバギィの群れを討伐すること。


繰り返し見回りをすることで次第に把握してきた村周辺地域の地形を頭の中に叩き込みながら、群れを追い詰めリーダー格であったドスバギィを倒し、持ち帰れる分の爪や牙を剥ぎ取って、もう一度ホットドリンクを口にして「さあ帰ろう」とした時だ。



 ふと目をやった、遠くに見える雪山の山頂付近で、大きな物体を見たような気がした。



大きな物体――あえて例えるなら、雪山が丸ごと移動したような。ポッカリと空いた大きな空間は、最初からそこには「何もなかった」かのようだ。
今は付近の地形をより早く理解するために鷹見のピアスをつけていたから、"それ"を捉えることが出来たんだろう。


とても大きな、雪山のようなモンスターが、あの山に棲みついているのかも知れない。


自分の住んでいる村にまで、何か影響なり被害が及ぶだろうか。

ざっと思考を巡らせてみて、グレーだと判断。
あの雪山を下山し、反対側である此方の山にまで移動をしてくるとも思えない。
村や人々に被害が出てしまってからでは遅いが、そうならないよう自分が毎日の見回りを怠らず、警戒を続けていれば対処はできるはず。




それに何より、
このまま自分がモンスターを追おうと深追いをすると、しこたま怒る奴がいるのだ。
起きてもいないことだが、その情景が想像に容易い。アイツの機嫌を敢えて損ねてしまう必要もない。





・・・ただ、まあ。

あまり感情を表立っては見せない彼が、
自分のことでだけは感情を露わにして、心配で怒りを覚えてしまう様子を見ていることは、存外気分がイイものではあるのだが。
こんなことを言えば、またアイツは目を回すんだろう。



 なんだか早く、家に帰りたくなった。
温かい部屋に入って、アイツの顔を見て、キッチンの作ってくれた料理を食べて、ルームが整えてくれたベッドで一休みしよう。



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