モンハン夢 | ナノ
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筆頭リーダーが今日もまた目を回す


「そう不安がる必要はない、どうか安心してくれ。俺は何があろうと必ず、他の誰でもないお前を選ぶし、お前を手放すことはしない。いつまでも傍にいて、俺の面倒を看ていてほしい。俺はお前がいないと何もできないんだ。だから、な…?」





「ニャ……だ、だんニャさァん…!! わ、ワタクシのことをそんな風に思っていただけてるだニャんてワタクシ知らなくて…!ニャ、ワタクシは、これからも旦ニャさんのルームサービスとしてお傍にいてもイイのですかニャ…!?」

「ああ、勿論。ずっと一緒だ」




友人の部屋を訪れてみれば、どうやら取り込み中であったらしい。

 所在無く戸口に立っていた来訪者の姿を認めた家主は、「おお 来てたのか」と気安く声をかけ、来訪した友人を労った。ルームサービスであるアイルーと握り合っていた手を放し、労わるように友人と軽い抱擁を交わして背を叩く。
 そこでようやくフッと息を吐いた友人――筆頭リーダーは、家主である我らの団ハンターの手に温かさを感じながら、「…久しぶりだな」と笑った。ルームサービスのアイルーは、アイルーが苦手である来訪者のことを慮り、「お茶を淹れてきますニャ」と言って部屋を退出していった。お茶を、と言いながら、おそらく小一時間は戻って来ないだろう。


「ハンターズギルドからの要請で、獰猛ゴア・マガラの足取りを追って何処かへ行っていたんだって? あのー……なんとか村に」
「ベルナ村、だ」
「そう、ベルナ村、ベルナ村。確か…牧畜が盛んな場所なんだって?いいなあ、俺もたまにはそういう長閑な場所へ行ってみたいよ」

心からそう思っている様子なので、村滞在中にあったことなどを詳細に話すことにした。
中でもハンターは、ムーファに興味津々であるらしい。

「いいなあ…モフモフ…勿論うちのプーギーも可愛いけど、やはりモコモコモフモフな生き物を抱いて寝るのは気持ちがいいんだろうな。…ああそれで、ゴア・マガラは無事に討伐できたのか?あ、だからお前が任務を終えてるのか」
「うん。龍歴院のハンターと協力して事に当たったが…」
「どんな奴だった?」
「………………どんな、……………」


顎に拳をあて、眉間に皺を寄せ、口をへの字に曲げて、筆頭リーダーは問いに見合う最良の返答を考えている。
彼はいつだってそうだ。困らせてしまっているなあ、とは思うが、同時に彼のそんな様子を見て楽しんでいる自分がいることも否定できない。ハンターはひっそりと笑みをこぼした。見られないように。


「………強いて、例えるならば」
「おお」
「君に似ていた」
「 へえ。どの辺?」


再び思考の渦に飲み込まれていった筆頭リーダーは、やがて熟考した末に
「…やはりよく考え直してみれば、似ていない。私の勘違いだったようだ」と言った。
それならそうで、此方はなんら問題はなかった。



「……ところで、先程は何をしていたのだ?」
「ん?どれ」
「ルームサービスのアイルーと何やら………寸劇じみたことをしていただろう」
「ああ あれ。 いやなに、先日ちょっとばかし頼みごとを聞いてあげたお礼に、ユクモ村の受付嬢だって子が"ルームサービスをお手伝いしてもいいですよ!"と言ってたのをアイツがどっかから聞いたらしくて、問い詰められてたんだ。"まさかワタクシを棄てるニャんてしませんよニャ!?"って」
「……そうか………ユクモ村の……受付嬢に…君の部屋を………」




「……おーい、大丈夫かー?」


駄目だ。顔を真っ赤にさせたまま、反応が返ってこなくなった。また目を回させているらしい。こうなってしまうと彼は暫くこんな様子が続くのだ。


モガ村の受付嬢が同じことを言い出してきた時にも同じ反応だったから。





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