ディーノ長編 | ナノ
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07

「どうしてプロテインなんか盗って来たんだ。これが必要なモノか?」
「だって見つかりそうになったから」


「 ケイド君 誠に申し訳ない」
「…どうしてアンタまでプロテイン出してくる!!」


頭痛がした。

ディーノの話に聞いていた通り、ジークと言う男は見た目通りの紳士ではないらしい。人の良い笑顔でボケをかましてくるとは思ってもみなかった。

「失礼。これは悪乗ったワケではないんだ。お嬢さんとボーイが店員に見つかりそうになったんで慌てて、注意を引く為にだね」

理由を述べてはいるが、だとしてもどうしてテッサが思わず手に取った物と同じものを選んだのか。
テッサは笑っているし、アイリッシュパブは口臭スプレーを手に取って「彼女といつでもキスしやすいように」なんてのたまっているし、ああもう


「ケイド君、煙草をスって来たが、君は吸うのかい?」
「…いや、オレは吸わないんだ」
「なるほど、愛娘さんの為にかな?」
「……まあな。親であるオレが、子どもに"悪影響"を見せるわけにはいかない」
「そうか。 私も子どもがいれば、生活習慣も改善できたのかも知れないね。……」

ディーノ!

偵察任務の内容をオプティマスに報告していたディーノをジークが呼び出した。
≪なんだよ≫
ディーノは素直に近付いて来る。
そんな彼を見て、ジークはとても楽しそうに



「話をしていたら私も子どもが欲しくなったんだがディーノは子どもを生めるのかな?」

≪呼びつけたと思ったら何いきなりトチ狂ったこと言ってやがるんだテメェー!!!≫



小突かれていた。あくまでも"殴った"のではなく"小突く"だけ。

トランスフォーマーも大変だな。
ケイドはあからさまに嘆息した。喧嘩をしていても、合いの手に殴りも出来ないのでは満足出来ないだろうに。

だが、自らの行動を制限されてでも、共に生きていきたい世界であるのだろうか。
"人間社会"と言う、とても小さな世界で、トランスフォーマーたちは、己にとっての大切な人間と共に。





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