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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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▼ 05



傷だらけのロロノアを担いで、城の一室に運ぶ。「今日からここがお前の寝る場所になるぞ」と伝えれば、ロロノアは数度辺りを見渡した後に、コクッと頷いた。元から遠慮してないだろうがうん、遠慮なんてすることない。この城にはまだ腐る程空き部屋がある。人が住んでいなければ、掃除をするのも大変なんだ。埃もすぐに溜まってしまうし


傷に響かないようにロロノアの体を横たえて、救急箱を運んできてもらっていたペローナに手当てをするように頼む。当然飛んで来た不満の声に耳を塞ぎつつ、オレはこれからこの部屋にロロノアの分の料理を運ばなくちゃならない、と伝えれば、不承不承了解してくれたようだ
頼んだぞ、と激励すれば、慣れていないのか顔を真っ赤にさせていた。可愛い女の子らしいところもあるじゃないか




階下に下りると、ミホークがワインの追加を所望してきているところだった
空になったボトルを受け取り、お次を開けて手渡してやる
受け取るミホークの顔は、ニヤニヤと笑っていた



「おっかない顔してるぜ、ミホーク」
「おれが笑うとおっかないか」
「普段からもうちょっと笑ってりゃあ良いんだ」
「………善処しよう。 …ああそうだナマエ、いいのか?」
「?何が」


トレーの上に皿を乗せていた手を止めて問いかけてきたミホークを見れば、何とも困った顔をしていた。
おいおいさっきまでのニヤニヤ笑顔はどうした



「いや…お前の手間が増えるのではないか、とな」
「人数のことか?」



――驚いた
まさかミホークが、そんな心配をしてくれたなど



「まあこの際だ。1人増えようが2人になろうが関係ないさ。誰かの面倒看るのは苦じゃないしな。…そもそもオレはお前に言いたいことがあるぞ」
「なんだ?」
「人数が増えたんだ、金も今までよりもっと掛かるだろ。 だから、お前が賞金首をえり好みせずに倒しちゃって金を稼いで来てくれたら、オレの苦労は減らせるんだ」
「……」
「こっちを善処してもらいたいな、オレは」
「………分かった」
「おうし。 じゃあオレはこの料理をロロノアんところに運ぶ。お前も、ロロノアの怪我が癒えたら剣を教えるんだって?」
「ああ。  ナマエ、チーズは何処にある」
「キッチンに入ってすぐの右の棚んとこだよ」
「分かった」




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