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▼ 04



「ほい、ペローナ」
「…なんだよコレ」
「?ココアだ。君が欲していたとミホークが言ってたから淹れたんだが」
「あ…あぁ、悪いな…。 ……ってそうじゃねぇだろ!!あの剣士の野郎はどうすんだ!」
「そっちはミホークが何とかするだろ。オレ達は黙ってノンビリしてればいい。もしもの時の為に料理は温め終えてるし」
「ったく……どいつもこいつも変な奴らだな……」



ズズズ…



ミホークの私室の片隅のソファに座ってナマエが茶を飲み、その隣でフワフワと浮きつつペローナがココアを啜る音がして、目の前ではロロノアとミホークが込み入った話をしている。剣士同士にしか通じない世界だ。剣とか、敵とか、強さとか、ただの管理人である自分には全く分からん



いつもなら、日中夜ヒューマンドリル達の雄叫びや鳥の声で煩い城の周りなのだが、今日はロロノアがヒヒ達を伸したお陰でこんな静けさである。
しかしこれで明日からの城の整備が幾分楽に進むかもしれないと、ナマエは内心上機嫌だ



暫く2人で和んでいると、話を聞いていなかったせいで何が起こったのか分からないが「ワッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!」と言う世にも珍しいミホークのながーい笑い声が聞こえてくるでないか

思わず持ってた茶を落としそうになりながらも、ナマエはどうにかソファからの転倒で事なきを得た




「な、なんだぁ?ミホークの奴が高笑いしてるぞおっかない……」
「椅子から転げ落ちるとかお前どこのお笑い芸人だ…」



ペローナが貸してくれた手を借りて何とか立ち上がる。
先ほどまで鬼の形相でロロノアを見ていたと言うのに、今のミホークの顔は"面白いモノを見つけた"時の顔をしている。とてもおっかない。
しかしミホークが楽しそうで何よりだとナマエは思った

そんなナマエに、ミホークの声が飛ぶ




「おいナマエ!」
「お、おう!?」
「アイツの手当てをしてやればいい」
「あのなぁオレは看護婦じゃないんだが。 …来いロロノア、ペローナも手伝ってくれ!」
「ムッ!おい私に命令するな!」



ずっとロロノアの怪我を手当てしたくて堪らなかったくせに、と城に設えていた救急箱を慌てて探し出すナマエを一瞥してミホークは笑う。それからこのロロノアも。稽古は傷が治ってからだが、その前にコイツは飯を食う必要がある。ナマエが作っていた料理だ。
ナマエは、作った料理を残すととんでもなく怒る奴だ。その時のナマエは、とてもおっかない




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