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「着いたぞ"シャボンディパーク"!!!」
「おっさん探す気あんのかよっ!!」
32・33・34GRに建つ遊園地"シャボンディパーク"
シャボンの特性を利用した多種多様な遊具が並び立つこの活気溢れる場所に、
麦わらの一味、ケイミー、パッパグ、ハチは、コーティング職人の男を捜す目的の為に訪れたこの遊園地を満喫する気で一杯だった。
パッパグの厳しい叱責がケイミーに飛んだのも入り口までのことで、
一歩敷地内に足を踏み入れれば、そのあまりの大きさに圧倒され、
今全員の頭の中には「全力で楽しむ!」と言うことしか浮かんでいなかった
ジェットコースター、フリーフォール、観覧車、コーヒーカップ、ゴンドラ、メリーゴーランド
長く海を旅してきたルフィやチョッパー、ブルックたちにとっても全てが新鮮味溢れている
あれに行こう!次はあれだ!これも回ろう!と全員が全員を促して、
次から次へとアトラクションを乗り換えていた
「観覧車面白かったなー!」
「ケイミーの一生の思い出にもなったしな!」
「うんっ!楽しい!すっごく楽しいよ!」
人魚のケイミーも、零れんばかりの笑顔を浮かべている。それを見てパッパグもまあいいかなと思い始めていた。
「あれ?そう言えばルフィちんとチョッパーちんは?」
「アイス買いに行ったぞー」
「えー私も食べたかったのにー」
「ケイミーはおれと後で買いに行こうぜ!どうせ麦たちのことだ。アイス二個食いだってすんだろ」
「うん、分かった…」
・
・
アイス屋の店員に無理に無理を重ねてアイスを五段重ねにしてもらったことにより、ルフィとチョッパーは上機嫌だった
上からイチゴ・チョコ・オレンジ・バニラ・おまけにバニラ
「どこから食おうかな〜!」なんてルフィが珍しく食に関してストップをかけ、
チョッパーもきゃあきゃあと喜びながらケイミーたちの待つ場所へ歩いている。
しかし、数の多い来場者の波を掻き分けながら前に進むのは困難であり、背の低いチョッパーも、目の前のアイスにばかり夢中となっていたルフィも、
そして同じく前から歩いてくる男も、三者三様に前方への注意を怠っていた
「 うわっ!?」
「ふぐおっ!」
「―おっ、と!?」
――ドシーン!
豪快な音を立てながら、ルフィとチョッパー、そして男は縺れ合いながら地面に倒れこんだ
男の重みによりチョッパーが潰されかけ、「ふぎゅう」と声を出し手足をバタつかせる。早く退いてもらわないと、呼吸が、
「君たち、怪我はないか!?」
「イテテテ……オッサンの方こそ怪我ぁねー…か…」
「ケホッケホ!あ゛ー苦しかっ……た……」
「……あ」
三人の目に飛び込んで来たのは、男の足元に転がっているアイスの成れの果て
三秒後、ルフィとチョッパーの「ああああああ!!!!」心の底からの大絶叫と、
男の「す、すまない!!」と言う焦りを含んだ謝罪の声が響き渡る
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