▼ あなたは愛くるしい
ナマエを無事に救出する事が出来たその日の夜
デュバルのアジトでは大宴会が催されていた
宴会の主役は勿論ナマエ 小さな体を大の男たちが取り囲んで、やれ「無事で良かった」「すぐに見つけられてよかった」と酒片手に上機嫌だ
勿論それは隣に座っているデュバルも同じで、大きな手でナマエの頭を極力 力を込めないよう加減しながら撫で回していた
「ナマエちゃん、ココにあるのは全部食っていいからな」
「うんっ!」
久しぶりに食べるのだろう。目の前に並べられた豪快な肉料理の数々に目を丸くさせ喜んでいる。一つ頬張れば「美味しい!」と見てるデュバルの方がとろけそうな笑顔だ。
「でも、いいのかな。助けてもらったうえにこんなご飯まで…」
「イイよいいって!ナマエちゃんがココにいてくれるだけで、オラ嬉しいだ!」
言っちゃったべらー! ヘッドやるぅー! ゲラゲラ笑う品のない声がアジト中に響いている。その男たちの姿を見ながら、少し遠慮がちにしていたナマエも、表情を緩め声を上げて笑った。こんなに楽しいのは、お父さんたちが生きてた頃ぶりだ
「……本当に、ありがとうデュバルさん!」
「い、いやあ当然のことをしたまででぬらべっちゃ…でへへ…」
「ヘッド、笑い方と笑顔が酷いっすよ!」
「うるせェぞ!!」
「えへへっ わたし、デュバルさん大好き!」
「でへへへ………………………え?」
「大好き!」
「べっ!!?」
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