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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ 02



「何1人で帰って来てんだ!ちゃんと男の方も連れ帰って来ねぇか!」
「ナマエの言葉も間違いなく伝えたが、『お前に命令される筋合いはねぇ』と吠えられた」
「なんだとぉ…!?めんどくさい……折角男の分も飯作ったのに」
「……もう出来ていたのか?」
「ああ、ペローナが手伝ってくれたからな」
「"ペローナ"?」
「女の方の名前だ。お前は何にも知らなかったんだな、ホント。やっぱりオレとお前の両方が同時に城を空けるのは得策ではなかったな…」



豪勢な料理が並んだ食卓の席に既に着いていたペローナは勝手に食べ始めていた。
その光景を見たナマエは慌てて「待てペローナ!ご飯は皆で"いただきます"してからだろうが!」「何だそれ!ガキか!」とペローナの動くフォークをせき止めている。しかし、ペローナの周りをウロついていた霊魂にうっかり触れてしまった




「…もうだめだ………オレには人にとやかく言える価値はない…なぜならオレはゴミだからだ……海に沈みたい……」
「何愉快な事をやっている。ナマエも早く席に着け」
「グッ」



地に伏して嘆いていたナマエの腹を蹴り上げ、所定の席に座らせミホーク自身もその向かいに座る。
ナマエの隣の席が開いていて、そこに料理が並べられているのはゾロの分のつもりだったようだ。
ミホークの隣に座っていたペローナはガタガタと椅子を鳴らして「まだかよ!」と喚く



「……オレは何やってたんだ?」
「私の能力だよ!間抜け!」
「ナマエ」
「はいはいどいつもコイツも喧しいな。 『いただきます』」
「頂きます」
「……本当に鷹の目までこんなことしてんのかよ……!」
「ペローナ、君もだ」
「…っ、はいはいイタダキマス!」



普段より人数が多くていつもの分量が分からなかったけど味はどうだイケるか?
少し薄い気がする
あーやっぱりかー。すまんミホーク、明日からは調整する
ああ





(……コイツ等……凄い変だ……)



気の許せる友人同士、と言うわけでもなさそうなのに、途端に緩くなったこの空気は何だろうか。ペローナの周りをホロウ達がホロホロと飛び回る。
そんなペローナを見て、フォークが進んでないことに気が付いたのか「ペローナ、早く食べないと冷めるぞ」なんて言うもんだから、「わ、分かってるよ!」と返事して目の前の飯をかっ込んだ。手伝った甲斐もあってか、鷹の目は薄いと文句を言っていた味も、ペローナには美味しいと感じた

何より久しぶりのマトモな飯だった






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