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▼ それはさぞかしお辛いことでしょう

それは一種の罪滅ぼし。救えなかった過去の自分を消し去るような自己保守の行いである。敬愛していた男を喪った。その喪失感は三日三晩鎮まることはなく、マルコが次に泣き寝入りから覚めた時、彼は「悪魔の実、」と一言だけ口にした。仲間たちは彼の真意を測りかねる。悪魔の実、それがどうしたのか。マルコは言う。敬愛していた男――エドワード・ニューゲートが死んだことにより、悪魔の実の力は、宿主を失った。最強の能力を有するグラグラの実は、辛うじてティーチに奪われることなく新たな姿となって世界のどこかに誕生したことだろう。恐らく、エースのメラメラの実もだ。その事実は既に世界全土に知れ渡っている。実を求め、多くの人間が動き出しているに違いない。そこでようやく、仲間たちはマルコの呟きに合点が言った。要は、それを他者に奪われたくないから自分達が先に手に入れる、と言うことだ。それはいい考えだとすぐに賛同者で一杯になる。その中には、白ひげを喪った悲しみから立ち直れずにいた者もいた。だがこれには立ち上がることが出来る。グラグラの実は、言わば白ひげそのものだった。「誰かに奪われていいのか」男たちは首を振る。「あっちゃならねぇよ、それは」それと言うものに固執しているわけではない。グラグラの実が白ひげそのものであっても、その実が男の代わりになることもない。ただ嫌なのは、他の人間がその実を食し、新たな"王"になること それだけが、「我慢ならねぇんだよい」 行こう。マルコの肩を叩くジョズの眼に、力が篭る。他の者も一様だ。そうだ、探すんだ。何故ならおれ達は海賊だ。 探して、見つけて、

そして 奪う


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