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▼ 03



「いい加減にしろミホーク!!」
「・・・・」
「何か言え!」



出会ってまだ2日目だが、もうすでにナマエはミホークに慣れていた

この男、想像していたよりも我侭だったが想定していたのと同じくらい生活スタイルに難がある。何より好き嫌いをするのがよろしくない。夜更かしも朝寝坊も厳禁。
生活リズムが良好すぎてオッサン臭いかなと項垂れるナマエでさえも思わず注意したくなる程の駄目人間っぷりだ。もう少しキッチリしてるのかと思ってた、勝手に



今朝も、「朝食だ。ちゃんと食べるんだぞ」と言い残して寝惚けていたミホークを置いて永遠に終わらない気がする城周りに落ちる瓦礫や死体の掃除をしていたのが間違いだった。
今は夕刻。ようやく本日の分を一段落して城に帰れば、朝渡したままの朝食がそっくりそのまま置かれていた。手を付けられていないそれは完全に冷え切っている。ミホークは。飯を食べずに何をしていたんだ



とすれば「自室の環境を整えていたら時間が過ぎていた」などと言いやがる
昨日あれから案内したミホークの自室の片付けを、まだやっていたのか
ナマエは唖然とした。飯を食べずに半刻を過ごすなんて、考え付かないからだ


それからだ。ナマエが、せめて朝食と夕食はミホークと一緒に食べるようにしないとと思い出したのは



「…ミホーク お前は今までどうやって生きてきていたんだ 女の世話になってたのか?」
「……宿を転々とし、波間で揺られ、その日暮らしが多かった」
「頭が痛くなるような事だな……。この城に住む以上はちゃんと食って貰わないとオレが困る。ここには見ての通りオレ1人だ、医者はいない。衰弱されたり病気になれば医者のいる島まで何日も掛けて向かわないといけないんだ」
「………」
「返事をしろ!」
「分かった」



そこだけはとても素直に返事をしてくれるのは良いのだが



「………では、一週間程出てくる」
「おお、旅立ちは急なんだな」
「金を稼いで来いと、言っただろう」
「まあ、言ったが…。 くれぐれも気をつけるんだぞ」
「…………、…」
「ん?何か言いたげだな」
「…いや、そんな言葉を言われたのは、初めてだっただけだ」





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