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≪マスクドナイト≫


デュエルモンスターズにおいてカード効果の効率と言うものの良し悪しは様々だろう。一介の決闘者である自分もそれは充分に理解している。カードテキストと睨めっこして、色んなカードとの関連性を見つけて、その一枚を有効利用するにはどうすればいいか。時には徹夜して、学校に遅れるから起きろと既に起きていた自分に母が声をかけたり、テスト問題を解くよりもずっと頭を悩ませて考えるそれが、醍醐味の一つと言うはずだ。 しかし、もちろん中にはどう考えても使えないカードもあるだろう。トンデモカードと言うのは大なり小なり存在する。仕方ない。そう、たとえ、どんなカードが誰かの「クズカード認定」を受けようと、しかたが






「ないわけがない!! 俺はお前を使えないカードだなんて思ったことないからな!!」

『マ、マスター お気持ちは有り難いのだが今は深夜だ 近隣住民の方からの苦情がまた……』

「レベル7!!!」

『は、はい!』

「寝てるレベル5と遊んでるレベル3をここに連れて来い!みんな纏めて朝まで説教コースだ!」

『えぇっ!』



自分の大好きな、エースカード本人から"自分達はあまり良い性能ではないからデュエルでの使用は控えた方が…"なんて言い分を聞いてみろ。俺でなくとも憤慨する決闘者はいるはずだ!


いつ俺がお前たち≪マスクド・ナイト≫たちのことを使いにくいと言った?お前たちの効果はちっともクズなんかじゃない!サーチカードだって豊富にあるし、ロックバーンを狙えるしレベルモンスター補助カードだってあって戦術なんて練り放題……いや放題とまでは言わないが使いようは幾らでもある!それに大体だな、俺が≪マスクド・ナイト≫を使うのにはもっと沢山理由があるんだぞ!それを実感できてないからそんな事を言ったんだなレベル7!

も、申し訳ありま、



「俺は! お前たちの! 見た目も!! すげぇ好きだからな!!」

『……はぁ…』

『マスター、ぼくかっこいいの?』

「いや、レベル3は可愛い! おいレベル5寝るな!話の途中だぞ!」

『…マスター、今は午前3時ですよ。精霊だって眠たくなります』

「レベル3は元気に遊んでただろうが!」

『マスター レベル5の言うとおり、もう遅い時間です。そろそろ就寝しなければお体に支障が…』



ダメだ、ちっとも言うことを聞いてくださらない。

ナマエはすっかり深夜テンション、と言うものに陥ってしまっている。真面目に聞かない――眠いからだ――レベル5を声で叩き起こしながら、マスターに褒められたことにより喜んで膝に飛びついているレベル3を抱きしめ返したりと、普段の慎重さはまったく見られない。その諸々の原因が、近年のデュエルシステムの進化、多種多用なカードの出現により、カード効果として遅れを見せていると憂えたレベル7の"断腸の思い"からの提案だった。

だがナマエは、レベル7からのその提案を一蹴の元に伏す。


「お前たちが好きだから使うし、効果を最大限引き伸ばしてやりたいと思うのが決闘者だ」

感情論だとは言えなかった。今回もまた、マスクドナイトはマスターの優しい好意に甘え、そして応えようと、もう口を開くことをしない。「おい、聞いてるのかレベル7!元はと言えばお前が…」とお叱りの声を受け、謝るまでは。