TF男主長編 | ナノ
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
僕の大好きな貴方


「ディーノっ!」

≪…ナマエ…!≫



初めて顔合わせをしてから今日で7回目、一ヵ月半ぶりのナマエの姿

笑うその顔に、不思議な感情と懐古の情が浮き上がる

差し出した両手に、ピョンっと乗り上げてきたナマエは楽しそうだ



「ディーノ!会いたかった!」

≪そうかよ。どうしてだ?≫

「え…どうして?うーん…どうして、って…会いたかったから…」

≪…そう言うものなのか、人間って≫

「わかんない!でも僕はディーノに超あいたかった!」

≪…ふん≫



ナマエとは、このナマエは違う気がする
いや、あいつの昔の姿は知らないから何とも言えはしないが
こんなに子どもっぽくて、天真爛漫な感じが不思議だった



「ディーノは、いつからここではたらいてるの?」

≪……そうだな、30年ぐらい、ってところか?≫

「そんなに!?ぼくが生まれてくるまえからだね!」

≪…ああ、だな≫



大体、俺はこのナマエに何を望んでいるんだか
ナマエとアイツを重ね合わせるなんて、双方に失礼極まりないことだと思った
こいつはこいつで、あいつはあいつ。当たり前だ



「ぼくもね、おっきくなったらパパみたいに軍人さんになりたいんだ」

≪…へぇ?≫

「だからねディーノ それまで僕を待っててね?」

≪は?≫

「ぼくも、ディーノとパートナーになりたいもん!」

≪!≫



ナマエが、いつか、俺のパートナーに、



≪……どうしようか?≫

「あ、ひどいよ!」

≪気が変わっちまうかもしれねぇぞ?≫

「いいよ、絶対にディーノをぼくだけに夢中にさせてみせるから」

≪…………マセガキ≫

「どういう意味?」

≪さぁな、パパにでも聞いてみな≫



やっぱり、こいつはあいつの生まれ変わりだ、絶対にそうだ

だってこんなにも、懐かしくて愛おしい



≪……ナマエ≫

「んー?」

≪お前も、大きくなったら俺を口説き落としてみせるのか?≫

「今からアプローチするから!」

≪へぇ、せいぜい、頑張るんだな≫

「うん!」



 もうすでに、お前に落ちているなんて

 言ったってきっとこいつじゃ理解できねぇだろうから

 言ってやらないでおこう




今日、久しぶりにナマエの墓に行ってみようか




ナマエ、俺はまた、お前と出会うことが出来たぞ