TF男主長編 | ナノ
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我が身は大切にしましょう




≪別のビークルをスキャンするか≫



何て相棒が言う
その目線の先にはナマエの家の隣人の隣人の隣人が所有している黒いボディのアルファロメオ。少し視線を動かせば銀のベンツ。二台の持ち主の姿はない
ナマエが借りているオンボロアパートの前で停車し黙って何かを考えていたと思ったらそう言うことか




≪ナンデ≫
≪…この格好はオートボットの奴等にも割り出されているし、ナマエも未だ警察に戻る予定はない。一時だけ、別の擬態しやすいビークルをスキャンしてやり過ごすべきじゃねぇのかってな≫
≪ナルホド≫



再び目線は目の前の高級車に移る。が、バリケードは「チッ」と不快音を鳴らした



≪……ベンツは、駄目だ。なんつーか駄目だ≫
≪ドウイウ意味≫
≪うるさい。気分の問題だ≫



ならばアルファロメオ。こっちは軟弱そう、といわれて却下。軟弱そうの基準が曖昧だ




「バリケード?何を考え込んでるんだ?」



ビークルモードなのにバリケードが何かを考えているらしい、と何故こいつは分かるのか。バリケードはナマエの質問には答えなかった代わりにドアを開けてやる



≪次は何処行くんだ。つかお前は警察に復帰する気はあんのか≫
「現実は厳しいって言っただろ。そりゃお前と職場復帰できるんだったら嬉しいけどさ」
≪……≫
「とりあえず、今はどこぞに就職して金を集めんかったら制服も買えねぇよ。バイトでもすっか」
≪それじゃあまた前に逆戻りだ≫
「だなぁ」



≪……いい事考えたぜ≫
「なんだ?」
≪俺が、高級車をスキャンする≫
「?ああ」
≪そしてそれをナマエが車屋に売るんだ≫
「は!?」
≪金を手に入れたお前、俺はスキを見てそこから逃げ出せばいい≫
「…なんつー…」
≪すげぇ合理的じゃねぇか?≫
「バリケード、お前そんなことまでしてくれんのか?」
≪まぁナマエの為な……!?≫
「俺の為?」
≪んんんなわけあるか!!やっぱりやめだヤメ!!≫
「は!?結構いい作戦だったんじゃね!?」
≪駄目だやっぱりやめる!誰がんな面倒くさいことやってられるか!≫
「お前が考え出したんだろ?!警察車に有るまじき作戦!」
≪うるさい!≫