TF男主長編 | ナノ
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仇討ち心中


※ツインズ死ネタ
※バッドエンド










殺しても死なないような奴等が、仲間だと思っていた奴等が、自分の生活の中心に居座り続けていた奴等が、いとも簡単に自分の目の前で死んで逝ったらどうする?


悲しむか?
悲嘆にくれるのか?
泣き叫ぶのか?
後を追うか?
何故?と原因を第三者に問うのか?



ああそうか 俺なら――









「スキッズ!!!マッドフラップ!!!」

「行くな、落ち着けナマエ!!」



一瞬だった。たったの一瞬だ

トランスフォーマーたちの神様とやらが、放ったたった一発の銃弾だ

マッドフラップの叫び声が耳から離れない
スキッズの言葉が頭から離れない


二人と合った目線が、今も脳裏にこびり付いている ――― ナマエ
確かにアイツ等は俺の名前を叫んだ気がした



「あの野郎!二人を、二人を!!」

「頼む落ち着いてくれナマエ!センチネルに楯突くな!お前まで消されてしまう!」

「…っ!!!」



レノックス大佐の腕を力の限り掴む。大佐は痛みで顔を歪めたが、放せとは言わなかった。それに甘えて、俺はいつまでも大佐の腕を強く掴んだ。こうしていないと、今にも飛び掛ってしまいそうだった










センチネルが基地を破壊し、トランスフォームして走り去って行くのが視界の端に映った




レノックス大佐が、動ける仲間を集めて移動を開始していたが、その輪から抜けて二人の残滓に近寄った



見る影も形もない、腐って解けて消えてしまった
喧しく騒いだあの二人は、もういない

久しく流していなかった涙が堰を切って溢れ出す



「うっ…ああぁあ……あ、うっああぁあぁあ……」


泣き崩れる俺に寄ってきた仲間が俺の肩を抱いて立ち上がらせようとする



「行こう ナマエ」

「……、…」

「敵を 俺たちで取ればいい」

「…」



涙を袖で乱暴に拭い取る。仲間に無様な姿は見せたくなかった




「……必ず」






 俺は 敵を討つ









最後にこびり付いたアイツ等の姿が、悲惨な姿なのが 最高の哀しみだった




昔のアイツ等を思い出そうとしても、どうやっても、最期のアイツ等の映像が 重なってしまった








Disappeared from the sight of my red and green

俺の視界から 赤と緑は消え失せた









柱を狙う仲間達と離れた別の場所から、赤い神様とやらに狙いを定める
旧式のランチャーだ飛距離はないし、あいつの装甲をぶち破る程の威力もない
でも一発お見舞いしてやらなければ俺の腹の虫が治まらないんだ



「…… 死ねよ ×××野郎」




耳元で爆音を立てて、弾丸は真っ直ぐにセンチネルを穿った

あいつをよろめかせただけか、と思ったが
よく見ればあいつの脇の装甲に小さく穴が開いているのが見えた。
旧式だが傷をつけれたようだった。それだけで満足だった



センチネルがこっちを見る。目が合った
センチネルは無表情だったが、俺には嗤ってるように見えた



センチネルの腕が腐食砲に変形する。 あれだ あれが二人を殺した武器だ



腐食砲を真っ直ぐ俺に向けた 俺は逃げなかった 逃げる気がしなかった
逃げても逃げ切れるわけがないと確信していたからだ




≪共に逝け≫




それが俺の聞いた最期の誰かの言葉だった


答えてくれよ赤い神様とやら


俺は、アイツ等と 共に逝くことが出来たか?







ナマエの身体が音も無く崩れ落ちる様を見たのは、センチネルただ一人だった