≪……貴様等…≫
腹のうちから搾り出すようにして出した声は連中を飛び上がらせるには充分だったようだ
≪≪メ、メガトロン様っ!?≫≫
いたの!?みたいな反応にメガトロンは(無いが)額に青筋を立てる
こいつ等最近、ワシのことを尊敬していないのではないのか?
≪ナマエに群がるな!散れ!≫
≪な、何でッスかメガトロン様!≫
≪俺はまだナマエに傷の状態を伝えてません!≫
≪ナマエを連れて行ってもいいですか?寧ろ傍にいたいんだが≫
≪散れーー!!≫
鶴の一声でピューッと虫の子のように奴等が散開していった後には、元の2人だけが取り残される
「………」
≪…奴等が迷惑をかけたな≫
「……まあ」
≪やはり、止めても構わぬぞ?≫
奴等の世話は、今まで通り自分が見ればいいし、
自分ならば舐めた真似はしないだろうし、ナマエの負担もなくなるだろう。
自分で言い出したことだったが、取り下げるのは簡単なはずだ
「……いや」
≪ん?≫
「続けさせてくれないか。貴方の為に」
≪…―!≫
笑った
初めて見たナマエの笑顔と言うものに、久しく稼動していなかったスパークが少し和らぐように疼いた
そんな小さな疼きは初めてで、スパークを上手く制御出来ない
≪…ぐっ……!≫
「…!?どうした、メガトロン」
≪何でもない、き、気にするな≫
「しかし…」
≪平気だ!!≫
「そうか…?」
心配して伸ばされた手を思わず振り払う。しまった、と気にしたが
ナマエは特に変わらず平然としている。
しかし、その顔が俄かに強張った。何かに勘付いたらしい
「……― むっ!?」
≪?なん…―≫
≪ナマエ〜!!≫
≪ナマエー!!≫
ナマエに抱きついたのはオートボットのツインズだった
小柄だが重い二人に伸し掛かられたナマエは、仰向けの形でツインズを殴る
「こん…っ、のバカ!離れろ!」
≪ナマエが最近、ディセプティコンの野郎たちばーっか構うのがいけないんだろ!≫
≪淋しいジャねぇカよ、バカナマエー!俺たちニもモット構えー!!≫
「…っ、たく…」
≪・・・・・≫
楽しそうだ。ナマエが笑っている そうだ、ナマエはツインズの前でだけは、
ごく偶に、稀に、時折笑顔を見せる時がある。自分が見たのは初めてなのに、このツインズたちは……
≪・・・・・ぬうあぁあぁああぁあぁあ!!!!≫
「!?」
≪何だ!?≫≪ナンだ!?≫
雄叫びのような金属の金切り声を上げると、周りの兵士やトランスフォーマー達が此方に注目する。そんなことよりも、だ
≪ええぇえいオートボットの双子め!ナマエから離れろ!≫
≪いっくらメガトロンでもその頼みだけは聞けねーなー≫
≪ソウそう ナマエはオレたちのジャン≫
≪寧ろ俺たちがナマエのだもんな≫
≪サンコイチ、ってヤツか?≫
≪…なあぁにぃい?≫
「……落ち着いてくれメガトロン そしてお前らはオレの上から退け」
ナマエはツインズたちの下をウンザリしたような顔をしながら抜け出し、メガトロンを見る。
「……これでも、イイ奴等なんだ …だから、殺さないでやってくれるか?」
≪・・・・・フン、≫
また面白くなくて、ナマエから顔を逸らす
ナマエは困ったように、また笑った
「殺し合いも、奪い合いも、…止めよう。……一緒に未来を進もう、メガトロン」
≪……っ!≫
心外だ。天変地異だ
このメガトロンが、たかが人間風情ごときに、 こんな