私の大切なフェラーリ主×ディーノ
≪おせェ≫
「…これでも中々早く帰ってきたつもりなんだが」
≪うるせェ 遅い≫
仕事の上司に呼ばれて仕方なく付き合った会合だ。飲みにまで誘われてしまい、何とか先に上司を酔い潰させ、タクシーを拾って急いで帰って来たのだ。急がねばディーノが拗ねる(本人は決して認めない)からと思い急いで帰ってきたのにこれはないだろう
「……やれやれ、淋しがりやの恋人を持つと大変だよ」
≪っ!?だ、誰が淋しがりやだボケェ!!≫
「誰もディーノのこととは言ってないだろう?」
≪ぐっ!!≫
「冗談だよ。単純だな君も」
ほろ酔い気分を覚ます為に水を飲もうと家の中に引っ込む。
だがそれをディーノに阻まれた。おいおい、そんなに強く引っ張ってスーツを破らないでくれよ?
≪待て 逃げんじゃねぇ≫
「逃げてない。水を飲もうと家に入ろうとしただけさ」
≪俺は家に入れねぇだろうが≫
「そうだね 残念だけど」
≪それに俺はお前の仕事先にも付いていけねぇし≫
「・・・ん?」
≪会合とやらにだって参加出来ないし、ナマエと同じ室内で空間を共有することもできねぇ≫
待て。話は何処に向かっていっているんだ?
「ディ、」
≪お前に客人が来た時だって俺はビークルモードで車庫ん中でじっとしてなけりゃなんねぇし、家の中の様子を覗き見ることだって出来ねえし、この前来た奴がお前の料理の腕前を褒めてたけど俺はお前の料理の腕前もしらねぇし、お前の昔の同級生って奴が来た時だって、俺はナマエの昔のお前をしらねぇし、俺のしらねぇお前の話をする奴が羨ましくて憎くてたまらねぇし、ナマエが疲れてるときにマッサージ?っつーのもしてやれねぇし、≫
あぁつまり嫉妬してるのか。全てに
≪それに、≫
「でも、私の恋人が出来るのはディーノしかいないだろう?」