いらない疑いをかけられて何故か喧嘩に
※『私の大切な〜』男主
≪これはどういう意味だ≫
「どういうって…ただのプレゼントじゃないか」
≪だから 何故俺に花束なんぞをプレゼントするのかって聞いてんだ≫
「…いや、それは…」
≪・・・・・・・・・・浮気か!!!≫
「なぜそうなるんだ?」
ナマエがディーノに差し出した、彼と同色の真っ赤な薔薇
本当にただの気まぐれと、年を食った自分にはもう感じない羞恥と言うものを忘れて
街の花屋で真っ赤な薔薇を頼み、街中を薔薇の花束持って闊歩してきたのだ。
下心も他意もない。感謝と愛を伝えるためにディーノに渡したのだ。その後にディーノが花束をどうするかなどは一先ず考えずに
しかしディーノは思ったよりも、意味を勘繰り勘違いしているようだ。困ったな
「本当に純粋な感謝と愛情だよディーノ。他意もないし、浮気をしたから罪滅ぼしに、というわけでもない」
≪・・・・・・・・≫
「信じてくれ、ね?」
≪………だから、50のオッサンが…キモイっってーの≫
ディーノは渋々と言った様子で花束を受け取った。
鋭い手で花びらを不思議そうに摘み、匂いを嗅いでいる
≪…ってか、何で薔薇なんだよ≫
「一目見てね、ディーノみたいだなと思ったからだよ」
≪………俺を花と同等に見るの、テメェしかいねぇよ≫
「私しかいないと困るな」
≪……ん≫
「ん?……気に入らないかい?」
ディーノに花束をつき返される。要らない、と言うなら少しショックだ
≪違う。花ってのは、何もしなけりゃ枯れんだろ?……花瓶にでも入れておいてくれ …それはもう俺のだからな≫
「…ははっ、分かった」
そうだ、分かっていることじゃないか。
ディーノは可愛いのだ