例え戦争が終結しようとも、付いた傷跡は簡単に消えるものでもない
戦時中にパーセプターが負った深い傷も、
永遠に取り戻せることはない
≪ホイルジャックさん≫
≪ああ、ナマエか どうしたんだね?≫
≪パーセプター、見ませんでしたか?≫
≪彼なら地下のラボだと思うが≫
≪ありがとうございます≫
全ての感情を消し去ってしまう前に、メモリの中の大切な記憶まで消えてしまわないように
別のファイルに保存しておいたメモリを引っ張り探す
長い間再生されなかったそのメモリーファイルは間抜けな音を出しながらも、画面上に映像を再生し始める
自分の目から見ている、自分の視線に映るのはナマエ
私ばかりが感情を失った、と言われるが
彼の方も変わってしまった。笑わなくなった
それは恐らく、私のせいなのだろう
メモリの中のナマエが笑う
一緒に、私の笑い声も聞こえた
ナマエがより一層笑みを濃くする
それにつられるように、私も自分の口角を少し上げてみる
私は一体どうやって笑っていただろう
≪……パーセプター?≫
≪―!!≫
駆け込んできたナマエ
そのまま振り返ってしまった
ハリボテの笑顔を見せてしまう
ナマエが呆然として、次に、 笑った
≪…ハハ、パーセプター、笑ってたのか≫
≪あ……これは…≫
≪…うん、いい。凄く可愛い、パーセプター≫
≪…!≫
抱きしめられたことによって、ナマエのスパークの熱を感じた
温かかった