その忠誠心が気に食わないんだ
ナマエ、何故お前は俺に付き従う?お前は別段強いと言うわけでもないが、弱いわけではない。何か特殊な能力があるわけでもないが、戦場で生きていけないほどじゃあない、
≪何が目的なんだ?≫
≪何か目的がなくっちゃいけませんか≫
≪不可解だと言っているんだ≫
腹立たしいことだがナマエは俺より背が高い
見下ろされるのは大嫌いだが、ナマエは俺を見下ろさない
いつもよく分からない目をして俺を見てくる
≪お前を見ていると腹が立つ≫
≪…申し訳ありません≫
≪黙れ≫
コイツは俺を尊敬している、なんて言うが、きっと真っ赤な嘘だ
いつも何処か不安定だし、曖昧に笑う
俺様が指定した命令は着実にこなすが、それ以上は決してしない
傷ついた俺の体を労わってくるが、それも表面上だけだろう
≪お前は、信用出来ない≫
≪…!…そう、ですか≫
ナマエの身体を押してこの場から退出しようとした。ナマエはよろけただけだったが、
≪…スタースクリーム様、ご無礼をお許し下さい≫
≪なん……っ!?≫
急に後ろから引っ張られ、何事かと顔だけ振り向けばナマエが俺様の右翼を掴んでいた
≪な、何をする!≫
≪申し訳ありません。ですが、これだけはどうか聞き入れていて頂きたい≫
≪何だっ!!≫
≪俺は、貴方が好きだから貴方に忠誠を誓ったのです≫
何を言われたのか上手く処理出来なかった。ナマエの手が翼から離れていく
ナマエは、またいつものような曖昧な笑みを浮かべた
≪…貴方のどこが好きかなんて、分かりませんが、俺は、
あの時、メガトロン様が本当に動かなくて死んだと思い込まされていた時、
スタースクリーム様がディセプティコン軍を率いてみせる!と仰られた時から、
何故か貴方に惹かれたのです≫
恋愛感情なんてそんな稚拙なものではない、もっと別の何かなんだ、と
嗚呼、本当にナマエは不可解極まりない