*「この苦しみの分だけ、あなたが好き」設定
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夜間の照明が照らされた倉庫入り口に、一台のソルスティスと黄色のカマロが戻って来た。
銀色の車はすぐにロボットモードへとトランスフォームし、カメラアイでざっと人の波をスキャンするとお目当ての人物を見つけ一目散に駆け寄って来た。
恋人のお帰りだ
≪ただいまナマエ!≫
「おーお帰り俺の車 こんな時間まで一体どこまで行ってたんだ?」
≪久しぶりのビーとのドライブだったからな!結構遠くまで練り走って来た!≫
我等がオートボットと最初に友人となった同胞、サミュエル・ウィトウィッキー君も泣いていた。今日、うちのジャズと彼宅のバンブルビーが"敵状視察"と言う名のドライブに出る日だと言うことを失念していて友人との待ち合わせ場所に行く為の足がなくなったと。
結局彼はバスに乗って向かったそうだが…うちも似たような物だ。
ジャズがベースに帰って来るまで俺も基地への居残りを義務付けられている。
当然だ。俺が宿舎に戻るにはジャズが必要だ。…車的な意味でだぞ
≪もしかしなくても、ナマエ 俺を待ってた?≫
「…分かりきった事を言うなよジャズ」
≪……俺が必要だ、って言ってくれよー≫
「あーそうだ、俺にはジャズが必要だ。とってもな」
≪ナマエー!!≫
「潰れるから伸し掛かってくるなよ」
戯れるのはいいが、そろそろ帰ろう。
俺は腹が減ったんだ
「……そうだジャズ オプティマスに視察の報告はしたのか?」
≪データはもう転送したぜ?≫
「本当にお前たちの体は便利で羨ましいな」
≪…そうか? 俺はそう思わないぜ。ナマエとの体の差が大きすぎて、おちおち飛びつくことも出来ねぇし≫
「………ジャズ」
≪……ナマエ…!≫
「殊勝な態度を取ったって騙されんぞ俺は。 そんなこと言って、お前はいっつも俺に抱き付いて来てるだろうが!」
≪ハハハそうだっけか!≫
日に十回ぐらい潰されかけてる俺の身にもなれ