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ディーノ(実写DOTM)


私の大切な〜 の大切なのは、今。の後日編


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「タイム。待ってくれ、降参だ。ディーノ、君は可愛らしすぎるだろう。老いぼれの心臓にこれ以上負担をかけてどうするつもりなんだ。そうかこれが幸福死だとでも?なるほど、愛故に死ぬのも悪くはないな」

ナマエきもちわるい



あの夜の海でお互いの気持ちが通じ合ってから数日、ナマエはずっとこんな調子だった。誰もこんなナマエの姿を見たことがないと言う。

俺の顔を見ては、照れて顔を俯ける。ディーノと名前を呼んで、俺が応えれば「なんでもない」と言って頭を掻く。そのくせ俺から名前を呼べば持っていた煙草を取り落として小火騒ぎを起こす始末。
挙動不審と言うか、前までのナマエからは想像もできなかった言動ばかり。


「幸せすぎて、信じられないんだ」

よく分からない。
あれだけお前の方からグイグイと押して来ていたくせに、後になって信じられないとはどんな言い分なんだ。人間とはみんなお前みたいになるのか。


「それに恐ろしくもある」
≪……恐ろしい?≫

「いつか君を失ってしまったらと思うと、途轍もなく苦しくなる。大切なものが出来ると言うのは、試練だなぁ」



≪…不安になんだけ無駄だぜナマエ≫
「 そうかな?」
≪ああ まずオレはトランスフォーマーだ。人間よりも何百倍も頑丈。その上オレは強い。万が一にも死ぬことはありっこねぇ。ナマエの言い分を貰うんなら、オレの方がもっと怖ェ。ただでさえナマエは生身の人間なんだから、コロっと逝っちまうなよ≫


オレだけが愛し損だろ。

我ながら捻くれた言葉だ。そんな言い方することなかった。けどナマエは気にした様子もなく

「…それもそうだ。私よりも君の方が可哀想だな。
私の死を引きずって、何世紀も塞ぎ込んだりなんてしないでくれよ? 君が心配で生まれ変わってしまいそうだからな」
≪ 必要ねえよ、そんなの!≫
「はは、そうか。 そうだ、話は変わるんだが今日はどこへドライブに行くかい? まだ行ってない西の方なんてどうだろうかあっちには……」




本当はもっと別に、伝えたかった言葉があったけど。
でもそれを伝えるには既にタイミングを逃してしまっている。
からかってくるナマエの言葉に噛み付くのが精一杯で、それを失くしてしまった。