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スタースクリーム


!フリリク企画作品


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ナマエは、スタースクリームのことを"知っているよう"に装うのだ。
それはスタースクリームからすればとても腹立たしい話で、憤りで腹部の貯水タンクの中のモノが煮えくり返りそうになる。


≪お早いお戻りでしたね≫

以前、ナマエがスタースクリームに言っていた言葉だ。
裏切りがメガトロン様に知られ、手酷い折檻を受けた後、満身創痍のまま艦の床に倒れ込んでいたスタースクリームのことを いつの間にか傍で見下ろしていたナマエが口にした。
まったく腹立たしい。それはまるで、オレがこの場所へ帰って来るのは当然だと暗に言っているようではないか。スタースクリームは感情表現豊かな眉を 忌々しげに寄せながら呪詛を吐いた。今すぐナマエのスパークが爆発四散すればいいのに、と。
それに該当すべきナマエの言葉は他にもある。ナマエはよく、≪スタースクリーム様ならそう言うだろうと思ってました≫と言う。≪やはり≫とか、≪そうですよね≫、≪さすがスタースクリーム様です≫エトセトラ、エトセトラ……………








≪不愉快だ!!≫
≪突然やって来られて顔を見るなり不愉快だとは。 お暇でしたか?それで俺の顔を見に?"不愉快"なこの顔を?≫
≪ええーい黙れ!喧しい!違うわ!≫


追加だ。付け加えて、口煩いおしゃべり野郎。――ナマエは、口を開けば自分のことかスタースクリームのことしか話さない。曲がりなりにも部下であるため、上司であるスタースクリームのことを上げて奉っていることに関しては不服の意はないが、それも度が過ぎれば鬱陶しくなる。500年ほど前ぐらいからようやく、「まさかこれは一種の嫌がらせなのでは?」と思い始めているぐらいだった。それほどにナマエはうるさく、スタースクリームのことばかりよく喋っている。


≪お前のことを考えていたら気持ちが悪くなったんだどうにかしろ!!≫
≪……まさかこれは、新手の告白か何かでしょうか?だとすれば俺の返答はただ一つです。俺もあなたのことがす≫
≪キモイ!! 続きの言葉を口に出したりしてみろ、首ごとボコーダーを引っこ抜いてやるからな!?≫
≪では今後は地球に来て見つけた"紙"と"インク"という材質を持ちまして筆談にてスタースクリーム様へお話いたしますね。では、 "好きです"≫
≪アアアああああアアァアアアア!!!≫


ナマエの首目掛けて腕を突っ込んだ。
≪ア、≫とナマエが言う前に、スタースクリームの手にはナマエの、ものであった、引き千切られたボコーダーが握られていた。
――スタースクリームは、 反逆、下克上、ナマエへの処罰に関しては、やると言えばやるトランスフォーマーだった。


≪―――…――≫


ナマエが何事か話しているが音になっていない。バチバチと、ショートしている千切れた回線の音はしていた。

つい、衝動のままに。
しまった、とは思ったが今さら戻したところで意味はない。



≪…ふ、フン これでちっとはお前が静かになるかと思えば心も晴れやかだ、な…ァアアアア!? な、な、何抱きついてやがるナマエ!!≫


ナマエがスタースクリームの背中の翼に頬を摺り寄せる。何か言っている。なにをいっている。わからない。
ボディに回ったナマエの手がスタースクリームのスパークがある箇所を撫でた。また何か言っている。わからない。まったくきこえない。通信で送って来るな。わからないったらわからない。


≪…〜っ、は、な、れ、ろー!!!≫
≪!≫


エンジンを逆にブーストし、その反動で勢いをつけてナマエからの拘束を抜け出し、そのまま顔も見ないまま部屋を退出した。ナマエが追いかけて来ている気配はしない。それが願ったり叶ったりなのか、ここで追いかけて来ないからお前は駄目なんだと言いたいのかどうなのか。

……なにが、

≪――お返事は?≫ だ。



≪……ノックアウトに言って、夜までにはボコーダーを治させておいてやる!≫


これが返事だ、気持ち悪い ――信愛なる部下め。















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◆TFPの男主で、スタスクとの甘夢


リクエストありがとうございました!