いつもの新聞勧誘だとばかり思っていて油断した
朝早くに鳴らされたインターホンのチャイムに応答できるのはこの家の唯一の住人であるナマエしか居ない
寝ぼける眼を擦り、「あいあぃ…ぁーぃ……」と気の無い返事を返しつつ、
いつもの「朝日新聞の者ですがー」と言う返答が返ってこない事を怪しく思う暇もなく、ナマエは薄い一枚戸を開け、太陽の眩しさに眼を眩ませた
「新聞なら毎日間に合……ってま…」
≪お邪魔いたし候≫
戸の前で器用に三つ指ついて土下座している角ばったコイツを俺は見たことがある。
「え…?おじゃ…え?」
≪オ…某はドリフトと申す者。貴殿と共に生きる道を選びたくこの地にと馳せ参じた所存≫
≪ちょ、え、なん、ド、ドリフト!?≫
頭はもうすっかり覚醒しきっていた
こいつ、俺の持ってるアメコミに出てくるトランスフォーマーの、ドリフト!
酷く冷静になりつつある脳内で、至極訳の分からない考えが脳に浮かび上がる
未だ尚礼儀正しく土下座したままである目の前の存在に慌ててすがり付いた
「ちょっと待て!と、とりあえず家ん中入ってくれ!」
≪なっ、良いのか!?≫
「お隣さんとか近所の人が起きてきたら何事かと思うから!!」
≪わ、 しょ、承知した!お邪魔致す!≫
「早く!!」
押した背中は、とても 硬い
↓
「どうして人間サイズなんだ…って言うか俺と共に生きるってなにですか…俺平凡な大学生なんですけど…」
≪むっ!?コレはオ…某で御座るか!!≫
「あぁあぁあちょ!!棚の玩具勝手に触るな!」
≪あ!オレが写ってるデータリストか!?≫
「それはアメコ…… オレ?」
≪あ…っ≫
→ドリフト、キャラ設定を意識しすぎた無理のなる侍口調にボロが出たの巻