機体は壁に押し付けられ、ノックアウトの顔が間近に迫る。
ああ何でだ!顔を歪めてもノックアウトの可愛さと言うモノはちっとも損なわれない!
≪なあ ナマエ≫
≪何だノックアウト!ちょっとロッドが腹部貫通してて痛いぞ!≫
でも腹にロッドを突き刺されてても構わない!ノックアウトのやりたいようにすればいいのさ!俺はどんなノックアウトの我侭でも無理難題でも受け止められる自信で一杯だぞ
≪お前は…私が好きなんだろう?≫
≪ああそうだぞ!≫
≪だったら私以外の他の奴等をその目に映す必要なんてないよな?≫
≪ああそうだな!俺の目にはノックアウトが映っていたら問題はないな!≫
≪じゃあ私以外の存在とやたらに話す必要もないだろ?≫
≪ああそうだな!費やしていた時間をノックアウトの方に回すことにしようか!≫
≪…ああ…≫
にやぁ…と笑ったノックアウトの笑顔マジ性的!
そんな笑顔で押し倒されて馬乗りになられたとあっちゃあ俺も堪ったものじゃあないが、刺されたまんまだったロッドがより深く抉り込んできて流石に噎せた
≪ なら、どうしてあの時に、あんなたかが一般兵なんかと一緒に楽しそうにお喋りしていたんだ?ナマエ≫
≪あの時?いつの時の話だ?≫
≪船内通路で、航空型のビーコンと楽しそうに談笑していたじゃないか。私も後ろにいたよ。嫉妬の炎で自分の体がオーバーヒート起こすかと思ったけどね。一体、何を話していたんだ?私がいた距離じゃ上手く音声を拾えなくてね。あんな笑顔で、私に向けるときと同じような顔して、なぁ、一体何を話してた?≫
ノックアウトに言われて記憶中枢を探る。ああ、あの時の話か。ロッド痛い
≪あれは所謂ノロケだ!≫
≪ ノロケ…?≫
≪あいつが、『自分はノックアウト先生の腕が未だ良いって信じられない』とか言ってたから、『何を言うか!ノックアウトの腕は完璧だぞ!因みに言うならルックスもフェイスもキャラも全部最高なんだ!』『はぁ……ナマエには呆れるよ』『何でだよ分かんねぇのかよ、美人でカワイ子ちゃんじゃねぇか』ってちゃんと言っておいたからな!安心しろ!≫
≪……つまり、あんなに笑顔だったのは…≫
≪多分、ノックアウトの事を話しているときだな!意識してなかったんだが、そんなに笑顔だったのか?恥ずかしいなー≫
≪………≫
倒れたまま頭を押さえて参っていると、その手を掴まれてノックアウトの頬に重ね持っていかれる
≪……スキャニング結果、ネガティヴ……≫
≪あ、お前そんなんで俺のブレイン読むなよ≫
≪まあ許してくれ… そうか、なら許してやろう≫
≪……!≫
えらくゆっくりした速さでロッドを引き抜かれた。先端に付着している俺のオイルをじっと見つめていたノックアウトは、そのままソレを舐めた。俺を見ながら、見せ付けるようにして
≪…っ≫
今もノックアウトに跨られている状態で、その光景はキツイ
それを分かっているのだろう、ノックアウトの目も恍惚と光っている
≪さっきは痛くして悪かったな、ナマエ…≫
≪い、いやぁ…≫
≪お詫びに…今日もナマエの好きにしてくれて構わないぞ?≫
向こうから誘ってきたことだし、乗らないはずはなかった
後日、一体の航空型ビーコンがバラバラになって死んでいたと報告された
絶対にオートボットの奴等の仕業だな、やってくれるじゃないか
俺がノックアウトの魅力を語ってやった奴じゃないか、全く